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社会主義協会の提言(第一部)                    −社会主義革命への道
 
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*社会主義協会第二回大会(1968年9月)で決定された『社会主義協会テーゼ』を、前年のいわゆる協会規制の関連で社会主義協会第十一回大会(総会)で改訂し、名称を『社会主義協会の提言』と改めたものの全文。底本は『社会主義協会の提言』(社会主義協会 1985年9月10日 第四刷)。同書収録の「資料」(「左社綱領」「社会主義協会の性格と任務」)「用語解説」「年表」は省略した。作成にあたり、北村巌パーソナルページ掲載のファイルを北村氏の同意を得て利用させていただいた。
 末尾に、第十一回大会(総会)決定「『社会主義協会テーゼ』改正一覧」と訂正箇所を附した。
 
                                                                           
 
 はじめに
 

 われわれは、ここに社会主義協会の理論上、実践上の指針−社会主義協会の提言=社会主義革命の道−を公にする。
 われわれの理論と実践の土台には、マルクス、エンゲルスおよびレーニンによって完成された世界観がある。われわれがマルクス主義、またマルクス・レーニン主義とよぶ理論的体系である。それは、自然と社会の発展に関する科学的認識にもとづいている。この世界観は、自然と社会における発展の必然を一般的にあきらかにしたばかりでなく、資本主義社会の発展のなかに、社会主義社会実現の必然をも見定めた。いいかえると資本主義の発展のなかに、社会主義革命内的法則を見出した。このことは社会主義社会の実現が、人類史上はじめて存在する近代労働者階級歴史的使命として実践されることを立証した。
 
 したがって、われわれの世界観は近代労働者階級の自覚によって、かれらの世界観となる。それはけっしてわれわれの世界観が、通俗的な意味で、労働者階級の階級的利己主義を擁護するものであるというのではない。近代労働者階級の歴史的地位をあきらかにすることは、この階級によって社会主義の必然が、担われていることの証明である。社会発展の必然が労働者階級の自由なる行為となることの証明である。資本家階級にとっては、労働者階級とちがって、歴史的におかれている自己の正体を明確にすることは、かれらの歴史的使命の消滅、かれらの没落の必然を、ばくろすることである。こんにち横行する資本家階級の思想的、文化的欺瞞と堕落を見るがよい。かれらは科学という名を、恥部をかくすいちじくの葉としてしか用いえない。労働者階級は、「自分の見解や意図を秘密にすることを軽蔑する」。かれらは、かくさなければならぬ秘密をもたないからである。かれらはただ真実を告げるだけである。歴史を背負う者には、ただ、真実の追求あるのみである。
 

 われわれは、いうまでもなく、ここでマルクス主義の一般的な理論をのべたのではない。この世界観が、具体的に日本の歴史にどう適用されねばならぬかをあきらかにしようとした。それだけではない。われわれは、日本における労働者階級の使命を具体的にあきらかにするとともに、その歴史的必然を労働者階級とともに、どのようにして実践転化しなければならぬかを追求した。
 
 われわれは、歴史の真実の前にたじろぐことを恥とする。われわれの理論と実践の指針−「社会主義協会の提言」−は、日本における社会主義の歴史的必然と、われわれの革命路線の正しさにたいする確信とを表明したものである。
 しかし、このことは、あやまちをおかさがないということを意味するものではない。われわれの確信は、真実にたいする謙虚さによって裏打ちされていなければならない。「社会主義協会の提言」はっねに、実践の検証を受ける。自己批判はこのことを意味する。不断の自己批判のみが、確信を独断から区別する。自己批判のみが、われわが運動の発展を約束する。
                                社会主義協会
 
 
 
 
    
目次
 
序章  社会主義協会の歩み
 
第一章 日本における社会主義革命の条件と形態
 第一節 世界情勢の基本的特徴
  後半(4-6)
 第二節 国内情勢の基調
  後半(4-5)
 第三節 国家権力の平和的移行
 
第二章 社会主義協会の性格と任務
 第一節 社会主義協会の任務
 第二節 日本社会党強化の基本的方向
 
あとがき    附:『社会主義協会テーゼ』改正一

 
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