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 いずれにせよこのように拡大されプロレタリアー卜と勤労階級大衆全体に発展してゆくとき、はじめて、職場抵抗闘争はその任務を完遂することができる。また個々の要求をかちとり、反攻の時期をつくりだし、労働組合の大衆的運動として安定することができる。
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C 「職場抵抗」労働運動の展開
(23) 職場抵抗にせよその他一般的に要求闘争すべてについて、要求獲得と発展の獲得との二つの闘争目標があることはすでにあらためていう必要はないであろう。しかしそこに実践的には重大な問題も生まれてくる。
 「六〇年代以後、資本主義経済が世界的に追いつめられてきたことに比例して、独占の攻撃は激しいというよりせっぱつまったものになり、したがって矛盾・要求も高まっているが、要求獲得はきわめて困難になった。要求を闘争にし労働組合に団結しても、結局はダメだ、という資本の思想攻撃が、逆にはじまり、とくに階級的指導部のもとで職場抵抗をつみかさねる組合・職場にたいしてはねらいうちでかけられてくる。このような組合には意図的に要求を獲得させない、ブルジョアジーの、「階級性」をむきだしにした対応が行なわれている。」
 他方で、一定の自覚をもつ部分(第二の部分)は、攻撃の激化と共に数も増え、ラディカルになっているわけだが、この部分は右の状況に直面すると激怒していわゆる「実力闘争」「ダンコたたかえ」と叫ぶ。これはたたかいの蓄積があり、指導部が階級的である組合・職場−つまり意識が高いところで、むしろ多く起る現象である。指導に正しさと、柔軟な展開とが欠けると、この先進部分は独走と孤立、玉砕に陥いり、さらに極左主義にまで固定化してゆく。はじめは、「全員の団結でなどといっていないで、何か他にやりようがあるだろう」という、未熟かもしれないが、どちらかといえば健全な疑問がわれわれにたいして投げかけられるわけである。これが「ノンセクト・ラディカル」の実態である。彼らは独占資本の巧妙な支配の結果生まれた右の状況に、心から怒っているわけである。それは要するに、われわれ自身と同じ怒りであり、情熱である。
 
 だがわれわれは、この状況突破と要求獲得が、闘争形態(戦術)のエスカレートや、組織方針の変更や、指導部の姿勢・根性の問題だとは考えない。また「それもありますが云々」などと妥協的にゴマかす必要もない。プロレタリアートが支配体制に対応しきれず実力のうえで資本に負けていること、とくに思想・意識での敗北があること−実力を形成する以外ないことを明確にしなければならない。われわれ自身にたいしても、第二の部分にあたる先進層にたいしてもである。
 われわれは個々の要求そのものを、自分自身のためにも全大衆のためにもあくまで追求するが、同時に、そのためには実力を築く−ますます多くの、本質的には全体の労働者が自覚・団結・闘争能力(とくにストライキ)を発展させなければならない、ということを訴える。これははっきりと訴えなければならない社会主義者の任務である。
 (この任務を果たせるためには、資本の攻撃、またそれがひきおこす要求・不満・不安などを、「プロレタリアートを成長発展させてゆく糸口だ」ととらえかえせることが必要である。合理化によって起される職場の変化、それを実行するための職制の出方などの一つひとつが、成長を生みだす糸口である。こうとらえた時はじめて、積極的な不断の、長期不屈の要求闘争・職場抵抗が組織化される。反合理化職場抵抗を実現するためには、階級的視点をもった活動家が不可欠だ、といわれる内容は右のことであろう。そのためには、このパンフレットの第U章で大まかにみたような歴史の全体の流れ=唯物史観を、学習によって身につける他はない)。
 
(24) われわれがある職場または企業で本当に職場抵抗を開始すると、たちまち攻撃と弾圧がむしろそこに集中してくる。ある部分を固めると、そこだけを孤立させてくる。そこだけアメがこなくなったり、かえって要求がとれなくなったりすることもある。また組合分裂(第二組合結成)の攻撃がでることもある。六〇年三池闘争以後の三池でのたたかいはこの典型だった。そのたたかいのなかから生みだされたのが長期抵抗統一路線である。長期抵抗路線は三池労組の、三池闘争後一年余の討論のなかから確立され、その後ためされ鍛えられてきた。それは職場抵抗を基本にすえてすすむ労働運動路線の戦略にあたる。
 その内容は簡単には次のように集約できる。イ情勢が悪いときには柔軟な構えをとること。ロしかし敵の弱点には思い切ってつけ込むこと。ハ柔軟な抵抗のなかで反撃を開始すること。七〇年代のいま、資本とプロレタリアートの力関係が全体的にも、個々の企業、職場でも、味方に不利である−という情勢認識が基本にある。そこでは味方の勢力の温存と増強をはかり有効な反撃の時期を力関係を変化させることによってつくり、かつ待つということである。この現在の情勢のなかでも、敵の弱点、あまりに大きな、アメと思想攻撃でごまかせない権利侵害などが起る。それを正確な情勢分析でとらえ、その時は思い切ってつけ込まなければならない。
 この労働運動路線について考える時重要なことは、これが三池第一労組という分裂攻撃下のたたかいから生まれたことである。長期抵抗「統一」と、第二組合=体制内的労働組合のもとにある労働者との、階級的な統一を展望し、そのための方法をもふくめた労働運動路線である。階級的統一のための基本は、やはり、要求闘争と学習教宣を積み重ねることによる、第二組合員一人ひとりの意識・思想の成長発展をかちとってゆく点にある。いきなり組合組織の変革を提起したりすることではない。少しづつしか前進しない長期の苦闘を覚悟しつつ、一人ひとりの意識を問題にし、目標にしてゆこうということである。
 労働運動の階級的再建−第二組合問題や同盟・全民懇系など体制内指導部下の組合の問題について、様々な提起がある。しかしその多くは、労働者一人ひとりを、その思想・意識を問題にするのではなく、そのための一歩だと称しながら組織体制についてだけ述べている。「左からの分裂」(戦闘的第二組合)とか、階級的レベルを一段落としても分裂組合を統一した方がよいとかが、各々現実の動きとなっている。前者に近いものとして「福岡中郵労組」、後者は合化労連の最近の傾向にうかがわれる。
 
 長期抵抗統一路線は、分裂組合・体制内の労働組合でのたたかいをもすでにふくめて、むしろそのような組合での階級的労働運動建設のための路線なのである。
 自分の組合での職場抵抗を、さらにすべての要求斗争を、この路線に立って位置づけ、戦術や方針を決めていかなければいけない。
  (社青同のなかでは、「長期抵抗路線」はこのパンフレットが述べてきた全部のこと、少なくとも本章第三節を全部一括して呼ぶ言葉になっている。この戦略の基本は職場抵抗である。しかし、えてしてこの基本を無視しサボッたままで、「長期抵抗」の部分だけいう風潮がある。民同指導部にもあるが、・社青同内部にも生まれている。その意味からいこのパンフレットでは基本=職場抵抗をまずははっきりさせるような書き方をとった。同じことは「長期抵抗・統一」路線の「統一」を無視する風潮についてもいえるだろう。たとえばこの路線をあらわすスローガンとして、三池労組では「団結・抵抗・統一」が使われるが、社青同では「抵抗・団結・前進」に変わる場合があった。分裂組合でないところにも一般化するため、という目的で変えたこともあるが、分裂組合でのたたかいについても結局ニュアンスが変わる結果になったといえる。六〇年代後半からは特徴的な分裂より丸がかえ体制内化という攻撃の状況では、分裂していない場合でも、第二組合員への働らきかけと大した違いはない活動が必要になってきている。だとすれば「統一」をも含めてまなび一般化することが、むしろ必要であろう)。
 
(25) 最後に重要なことは職場抵抗の成果を発展させることである。職場抵抗はもともと全面的な大衆闘争路線の柱であった。柱はそこから出発しそれによって全体をささえるためのものであるが、それだけでよいというものではない。
 第一に全面的な要求闘争に発展させること。攻撃と支配は至るところにある一たとえば職場で資本の本質をみぬいても地域居住で資本の支配からぬけだせないようになっていることが多い。さらにあらゆる攻撃はすべて発展の糸口にできるのだし、しなければならない。少なくとも生産基盤―生活基盤での要求は、賃金闘争でも、いわゆる国民的でもただちに闘争になり得る広さと切実さをもっている。
 
 第二に、職場抵抗闘争を展開する職場と労組の階級的強化を、拡大してゆくこと。すでに(22)項にみた企業へ、とくに産別への拡大と、地区(地区労)へ、未組織労働者への拡大とがある。社会党と社青同(その支部)はこの拡大の直接の担い手である。職場抵抗を糸口として成長した社会主義者が企業を越え、組合セクトを越えてこの任務を果たす。
 第三に政治闘争=国家権力との闘争への不可避的な発展をおしすすめること。
 第四に、プロレタリアート以外の勤労諸階級のたたかいへの援助・指導・共闘である。
 後の二つの発展方向は第二のものと同じく直接には社会主義者を担い手としており、そのような階級的立場が労働組合全体によって少しずつ担われはじめたところである。この二つは次の第四節でのべる。
 いずれにせよこのように拡大されプロレタリアー卜と勤労階級大衆全体に発展してゆくとき、はじめて、職場抵抗闘争はその任務を完遂することができる。また個々の要求をかちとり、反攻の時期をつくりだし、労働組合の大衆的運動として安定することができる。
 
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