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四 七〇年代の政治路線
(1)七〇年代をむかえた政治状況
 六九年末の総選挙の結果三○二議席を占めた自民党は、国会における多数の力を背景にして日米共同声明路線を強行しており、七○年代の前半のうちに新たな体制を形成しようとしている。憲法改悪の動きが強まり、安保条約そのものの再改定の動きも始まっており、かれらの計画のテンポは急速である。
 この自民党の対策にたいして野党の側にあらたな変化と流動的状況がうまれている。野党第二党となった公明党は、出版妨害問題について打撃をうけ、「政教分離」など一応の転換を行なっているが、未だ宗教政党の本質を脱しえないでいる。また最近七○年代における「中道革新連合」による政権への構想を提起した。
 民社党は停滞のなかで混迷をつづけているが、京都府知事選にみられるように地方自治体選挙において、自民党との連合が目立っている。また最近反共革新政党の大同団結の立場から「民主革新連合」構想を提起している。「中道革新連合」や「民主革新連合」は、それぞれの七○年代への構想としてうち出されているが、その内容は明らかでなく、七○年代の日本の進路にたいする明確かつ積極的な分析と展望を欠いている。
 共産党はさきの総選挙で躍進し、大衆運動のなかで勢力をのばしている。かれらはその十一回大会「決議」にみられるように議会と選挙闘争を重視し、複数党の存在や改良をみとめ、自主独立路線を一層強調し、人事の大胆な若がえりをはかるなどイメージ・チェンジをはかっている。しかしこのような変化は、その綱領に示される日本の「従属国」規定、暴力革命を否定しない不確定戦略との自己矛盾を強めているものと云わなければならない。かれらの七〇年代の方針は、わが党との統一戦線とそれを基礎とする民主連合政府を目標としているが、その統一戦線方針における自己中心主義はいぜんとして改まっていない。
 七〇年代をむかえて、国民はいま自民党の政策によってひきおこされている深刻な問題を解決するために野党が結集して闘うことを強く要望している。しかし、そのことは、単なる野党のよせ集め的な「再編成」や「合同」を意味するものではない。一〇〇〇万人の支持者を待ち野党第一党の地位にある日本社会党への期待は、労働者を中心とする農民、中小企業者、青年、婦人、インテリゲンチャ等広範な勤労大衆の政党として、正しく七〇年代を展望し、国会の内外において、野党との共同闘争を活発に展開して七〇年代の新たな政治情勢を作ることにむけられている。
(2)反独占、反自民の国民戦線
 @国民戦線の基盤と目標
 七〇年代の革新の進路を実現するためにいま最も必要なことは、多様な要求を基礎として国民の民主的多数派を結集し、反独占、反自民の国民戦線を実現することである。七○年代を迎えた国民の状況に明らかなように、国民の諸要求は六〇年代以上により多様に、またより深刻なものとなってひろがっており、その解決を求めている。国民の民主的多数派結集への条件と展望は拡大しており、その客観的条件は或熟しているのである。たとえば公害問題や交通災害問題のように、いま差しあたって解決しなければならずまた解決できる緊急の課題が山積している。いま求められているのはこれと正面からとりくみみ一つひとつ具体的に解決していく方法と力であり、われわれの国民戦線はまさにこの課題にこたえるものでなければならない。したがってこの国民戦線が単に政党レベルだけでなく、切実な要求にもとづくすべての運動や組織を結集することは当然である。
 この国民戦線の目標は、第一に安保廃棄、平和中立の日本の実現をめざし、日米共同声明路線による軍事大国への道−帝国主義復活と軍国主義化を阻止することであり、防衛力増強と韓国・台湾・ベトナムなど反動政権への経済的・軍事的進出に反対して沖縄の全面返還と日中国交回復、アメリカ軍のインドシナ半島さらにアジアからの撤退をたたかいとることである。さらに第一の目標は大企業中心、GNP至上主義がもたらした国民の犠牲の解決であり、公害・物価・交通・住宅・減税・社会保障など、国民のいのちと暮しの防衛と生活向上をたたかいとることであり、第三の目標は憲法に保障きれた民主的諸権利を擁護し、民主主義の再生と社会・教育・文化の改革を通じて人間性をとりもどすことである。これらの目標を目ざす国民戦線の結集の方向は、反独占、反自民に集約される。
 A労働者の階級的・民主的統一と農民・中小企業
 反独占、反自民の国民多数派の結果にあたって、労働者が中心勢力としての役割を担うことは明らかである。最近労働運動が生涯点における賃上げ、反合理化闘争に加えて、減税、年金、労災、社会保障、住宅など生活要求の闘争を展開していることは、国民運動のなかでの労働運動の重要性を増大するものである。この運動は企業内的な組合組織の枠をこえて労働者階級の横の連帯と統一行動を強め、国や地方自治体に対する、政治闘争として発展することによって、わが党との支持協力の部面をひろげるであろう。また、物価、公害、教育、社会保障、生活環境整備などの国民運動と結びつき、その中核的役割を果すことが期待されるものである。七〇年代の新たな資本攻撃にたいしていま、労働戦線統一が大きな課題となっているが、組織上の再編を問題とする前に、先ず労働者の具体的な諸要求をかかげた強力な共闘と統一行動を実現させることが必要である。今日労働戦線統一の問題が提起されている背景としては、最近の技術革新、自由化の圧力などが産業別の結集を促し、企業別組合の組織基盤が再編の過程にあること、公害・住宅・税金・社会保障などの国民的諸課題に労働組合が統一してとりくむことが求められていること、労働者の意識構造の変化と平行して政党系列の構造がゆらいでいることなどがあげられるが、われわれは労働戦線統一について党の考えを提起するとともに、党と労働組合の正しい支持協力関係を通じ影響力をつよめなければならない。
 すなわち、七〇年代の課題をたたかいぬく階級的・民主的統一のためには、資本からの独立と戦闘性、全労働者の統一と未組織労働者の組織化、国民的諸要求に強力にとりくみ、国民運動の中心部隊となることが求められている。われわれは労組への安易な依存から脱却し職場と地域の活動を基礎に労働運動における党の力量と影響力を強めなければならない。その意味で、七〇年の総評大会においてわが党支持を明確にする修正が行なわれたことを安易にうけとめてはならない。
 農業は高度成長のもとで大企業への労働力供給源とされ、農業従事者の大半は婦人と老齢者になり、農産物輸入自由化による価格不安定、人口急減による過疎現象など農民の不安はきわめて大きい。農民が将来に希望のもてるような農政の方向を示し、農業改革の運動を展開することこそ七○年代の農業の課題である。
 中小企業は独占資本の系列下にくみこまれるものと、除外されるものとに分離され流通過程への大資本の進出や労働力不足のしわよせをうけるなど全体として独占資本の圧迫がきびしくなり、中小企業者のなかにも前途への不安がつよまっている。われわれは積極的に中小企業者の要求にこたえ、これを反独占の方向に結集しなければならない。
 B住民運動と自治体闘争の新たな重要性
 反独占・反自民の重要な一翼を担うものとして住民運動と自治体闘争の段別は七○年代にその比重をつよめている。生活破壊が激しくおしすすめられているなかで国民はその切実な問題の解決を身近な自治体に求め、シビル・ミニマム=人間が人間として生活するにふさわしい最低の条件を保障することを要求している。このなかで革新自治体が拡大し、国民の三分の一近くがそこに生活しているがこれがさらに大きく前進することは、七〇年代のわれわれの進路にとって大きな橋頭堡となるであろう。
 しかも、東京・横浜をはじめとする革新自治体の前進が力強い住民運動−−住民の積極的な参加と新たないぶきをもった地域民主主義によって支えられていること、またこれを革新首長を先頭にして地域にとびこみ、住民の参加をひき出し、住民多数派の結集に成功していることを大きな教訓としなければならない。労働運動が国民的諸課題=多様な住民要求に積極的にとりくみ、地域住民や未組織労働者との連帯をつよめることによって真に資本と対決する強力な力量をもちうること、同時に住民の生活と要求は組織労働者の積極的な国民諸要求実現のための活動によって守られ、実現することをわれわれは確認しこれを推進しなければならない。いわゆる「市民主義」あるいは「労働組合中心主義」といわれる傾向をのりこえたこのような結合の立場に、七〇年代闘争の新たな方向と特徴がある。
 C青年・婦人運動
 六九年末の総選挙の敗北にあたって、重要な総括の一つは青年・婦人の問題であった。七〇年代は青年の問題をぬきにして考えることはできないし、今日の諸矛盾を集中的にうけている婦人の問題を欠くことはできない。六〇年代を通じて青年の要求は多様化し、一方には政治への無関心層、他方には過激な直接行動に出るものまでひろがっている。社会の矛盾に最も敏感であり、また未来を担う力である青年層に、われわれは現状打開と七〇年代への進路を示し共同の行動と連帯の中でその結集をすすめなければならない。婦人の要求も多様化しまた深まっている。わが党を中心とする青年婦人運動は停滞をつづけているが、社青同の強化と新たな青年共闘の構想を早急に具体化し、また勤労婦人、主婦の要求にこたえ婦人への影響力を強め、それらを全党的な課題として推進することが必要である。
 D平和運動
 日米共同声明路線の急速な具体化と七〇年安保体制の中で、七〇年代の平和運動は新たな重要性をもっている。七〇年代の平和運動は、戦争に「まきこまれる」危険性からの脱却を中心とする従来の運動から「再び侵略者とならない」たたかいとして前進することを求められている。それはまた具体的な課題として、自衛隊増強反対、核武装阻止、ニクソン・ドクトリンにもとづく米軍基地の自衛隊移管にたいして「軍用地を国民の手に」かえすことを要求する運動、沖縄への自衛隊派遣に反対し、核も基地もない平和経済の沖縄返還の要求、さらに安保体制を積極的に空洞化する主要な柱として日中国交回復を実現する運動、インドシナ・台湾・韓国をはじめとする反共国家への軍事援助・軍事進出に反対するたたかいが重要になっている。すなわち、七〇年代の平和運動は侵略者となることを拒否するなたかいであり、また積極的に日本の中立と、平和・連帯のアジアを実現するたたかいである。
 この課題をなしとげるために、われわれの運動は、新たな改革を必要としている。六〇年安保闘争からひきつづいた運動方法・運動形態を改革して大衆「参加」を実現しうるものへ、運動のマンネリズムを克服しなければならない。これらの改革のためには、全国に結成された数百の反安保実行委員会を、その中心となる労働者はもちろん、地域住民に広く結びついたものとする努力をすすめ、諸平和団体の統一機能を高めて七〇年代の課題に力を結集しうるものとすることが求められている。
 E運動と組織
 以上のような各階層・各分野の運動の高揚と強化を通じて、われわれは政治戦線としての反独占・反自民の国民戦線をつくりあげる。すなわち、そのためにわれわれの当面する課題は、第一にこれらの具体的なたたかいに一つ一つとりくみ、それぞれの運動組織を拡大強化してこれを国民運動として高めることであり、第二にはこれらの諸闘争を結集した総行動によって反自民の大衆的意志表示を行なうことであり、さらに第三にこれを政府要求に高めてゆくことである。これらの闘争にあたって、要求の一致にもとづいて可能な限り幅広い戦線をくむことが必要であることは云うまでもない。われわれは統一行動をすすめるにあたって、わが党の独自活動を展開すると同時に国民の求める統一行動を全野党・諸勢力に積極的に提起し、目標の一致による幅広い結集をはかる。同時に運動の発展を阻害する勢力との共闘はみとめない立場をとることはいうまでもない。
 われわれは反独占・反自民の国民戦線をつくりあげるにあたって運動の中核となり、また政治的結集の中心となる党の役割の重要性を強調しなければならない。六〇年安保闘争にわいてもその高揚を支えたものは国会の内外にわたるわが党の活躍であったし、七〇年闘争における立ちおくれは野党第一党としてのわが党の後退が大きな原因となっている。国民の民主的多数派の結集=反独占・反自民の国民戦線の成否は政治的中核としてのわが党の力量にかけられているのである。
 F選挙と議会闘争
 国民の多様な政治的意志を集約し、実現してゆく機能を議会は次第に失いつつある。議会政治の危機が強調され、政治不信が拡がり、直接民主主義への志向が、議会をのりこえてあらたなラジカリズムをうんだ。議会制民主主義は、あらたな再生を追られており、それをはたして行くことはわれわれの重要な課題のひとつである。
 現在の選挙法による選挙は、国民の利害や要求を正しく議会に反映する機能を失っている。選挙において政党の活動が制限される反面、大企業や財界の公然たる資金援助によって、あいかわらず企業が選挙をうごかし、得票数に比例しない議席、人口と議席数のアンバランスなど、選挙の方法そのものを改善することが急務である。政治資金の規制をきびしくし、選挙の公営を拡大し、主権者の権利が公平かつ最大限に生かされるよう制度の改革をいそがなければならない。
 資本と官僚と自民党のゆ着による議会支配は、多数独裁、議会の形がい化、議会に対する行政府の優位をつよめ、議会と国民の深い断絶をうみ出している。
 われわれの議会闘争は、この断絶をうずめ、議会制民主主義の機能を回復し、議会が唯一の立法機関として、国民の多様な意志を不断に吸収し実現してゆく場として再建してゆくことである。
 議会は、従来の法規や慣例を大きく変えて、直接、国民の声をきき、世論に従って自ら律する体制をつくらなければならない。国会審議を充実させ、国政調査機能を強化してゆく等の改革を加えると同時に、党活動の強化によって、議会制民主主義の基盤を拡大してゆく。
G国際連帯
 七〇年代のたたかいの中で国際連帯の課題が重要さを加えていることは明らかである。日本の帝国主義復活と軍国主義化はそれに反対するわれわれの闘争のアジア諸国民に対する国際的責務の重さを示しているが、六〇年代のたたかいを通じて国際共同行動も新しい発展をとげた。アメリカのベトナム侵略に反対する国際共同行動は大きく発展し、総評の提唱した一〇・ 二一国際統一行動日は世界の反戦闘争における重要な行動日として位置づけられている。ベトナム反戦統一行動の中で発展するアメリカの平和運動との連帯の前進も新たな成果となっている。七○年代の情勢を展望するとき、アジア・太平洋地域の連帯行動、とくにインドシナ三国人民、中国・朝鮮人民との連帯・友好と、日米軍事開戦に反対する日米両国民の共同行動が重要である。七〇年後半のわが党の一連の外交活動もこのような重要性にもとづいてすすめられている。
 さらに七〇年代の国際連帯は、反戦・平和の問題だけでなく、平和五原則にもとづく連帯と繁栄の立場から日本がアジアにおいて果すべき新たな役割を追求することが必要であり、またいまや国際的課題となった公害問題をはじめとする社会・経済上の諸問題にたいする国際協力の重要性が高まっている。
    (3)政治勢力の結集とわが党を中心とする連合政府
 われわれは一九六四年の「日本における社会主義への道」において、反独占国民戦線に支えられた過渡的政権として護憲・民主・中立の政府の構想を明らかにした。
 七○年代を迎えたいま、新たな特徴となって拡大していることは、多数の国民が切実に転換を求めていることであり自民党三〇二議席を占めたとはいえその得票率は四七・七%と半数以下であり、なお流勤的である。またこの国民の要求を背景にして全野党の国会の内外にわたる共闘の気運が高まっていることである。総選挙の敗北から立ちなおり、国民の切実な要求と連動を基礎とする政治勢力の結集へ、そして反撃と新たな前進への可能性がひろがっている。
 いま必要なことは、この新たな可能性を拡大し、国民の要求を真に解決するために大衆運動を反独占・反自民の国民戦線として高め、また全野党の共闘を積極的に推進することである。このような努力を通じて新たな政治勢力の結集を実現し、そのうえにわれわれは、反独占・反自民の国民戦線を基盤とし、わが党を中心とする連合政府の樹立をめざす。この政府は新たな国民的結集によって支えられた『国民連合政府』ともいうべきである。いうまでもなくこの国民連合政府はさきに掲げた反独占・反自民戦線の政治目標を達成する護憲、民主、中立、生活向上の政権である。
 この政府の実現にむけて、わが党は積極的に七〇年代の進路を各野党、諸勢力に提起し、その目標にむけた大衆運動と全野党共闘を積極的に推進する。われわれの直面している国民的諸課題を実現するためには、わが党を中心とする勢力結集が単なるよせ集めに止ってはならない。すでにのべたように各野党とも真に七〇年代の課題にこたえる進路を提起しているとは云えない。このような中でいわゆる「野党再編成」は、たんに既成の野党の算術計算的離合集散にとどまり、国民の要求を解決する反独占・反自民の結集にはならない。いま最も必要なことはわが党の再建強化で、積極的な指導力を発揮することによって新しい政治状況をつくり出すことである。各野党・諸勢力が流動的な特徴をもっている現在、全野党の結集をめざすわれわれの努力の形態は国会の内外にわたって問題別に多面的なものとなるであろう。われわれはこのような努力をすすめるにあたって多角的重層的に運動を組織しわが党と特定政党とのいわゆる「中軸論」の立場はとらない。
 われわれがすでに明らかにしてきたように、わが党が目標とする政府は連合のあり方について多様な場合がありうるが、問題はその中心となるわが党の指導性と力量にかかっている。わが党を中心とする連合政府を実現するためには、わが党の政治的・行動的力量の大きな前進が必要であり、また党の意思が統一されなければならないことは云うまでもない。
(4)党建設
 われわれは六〇年代の低落と六九年末の総選挙の敗北の中から党を再建し、七〇年代の革新を担う方向へ新たな努力にとりくんでいる。七〇年代のもつ歴史的な意義を考えるとき、われわれは改めて党の任務の重要性を痛感するのである。
 七〇年代をむかえて国民の状況は新たな特徴をもって進展しており、わが党の前進と強化の基盤はその国民の要求とエネルギーの中にある。
 党の再建は第一に課せられた七O年代の課題と任務を自覚し、その実現に向って全力をつくして取組むことから生まれる。
 われわれは行動のなかから党の主体性を強化し、一千万の党支持者や反独占・反自民の諸要求を持つ広範な国民とともに活動を進め、強大な党の建設を達成しなければならない。
 そのため、第一の問題は、中央の指導体制を強化するとともに、党員の作風を正し、学習を盛んにして、全党の思想性を高めることである,せまい経験主義や主観主義から生れる個人的独善をなくすために、各級機関、各組織は意見の交換と経験の交流を活発にして、党の目標と路線に対する思想統一をはかるため、一層努力しなければならない。
 党再建にあたって主要な問題の一つは党の政策活動である。六〇年代の総括の重点の一つは独占と政府の側の急速な変化にたいしてわれわれの政策活動が立ちおくれたことであったが、七〇年代の新たな課題を考えるときその課題はきわめて大きい。そのために党の政策作成過程に大衆参加を実現し、大衆の要求を運動に組織しこれを党の政策としてゆくこと、七○年代の課題となっている都市・農業問題・非武装中立をめざすアジア政策をはじめ諸政策を英智を結集してつくりあげるために、積極的な努力が払われなければならない。
 二つは党の組織と行動の強化である。再登録運動の終了したあと、新入党運動、とくに青年の入党が特徴となって進行しており、機関紙拡大も次第に成果をみせつつある。党勢拡大の運動を七〇年代革新日本を担う中核を建設する事業としてとりくみ、とくに、第三十四回党大会で決定された「党組織建設五ヵ年計画」の遂行は、七○年代闘争勝利のために決定的に重要である。
 一人ひとりの党員が歴史的意義をもつ七〇年代闘争を確信をもってとりくみ、この全党員の活動と支持者を基礎に党の統一と団結をかためて前進することこそが国民戦線の中核として七〇年代を担う原動力である。七〇年代闘争の成否は党員一人ひとりの決意と行動にかかっているのである。
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