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社青同全国学協再建総会議案(2)
 
U章 方針
(1)当面する課題について
世界資本主義の同様の中、更に反帝闘争を進めよう−ベトナム和平協定支持−

 ゆれ動きつづける世界資本主義の矛盾は、結局はドルの10%切り下げ円の変動相場制への移行という形で調整されていった。二月十四日変動相場制入りの中で15%程度の円切り上げが見込まれているが、ポンドの変動相場制への移行etcを通じ、すでに空洞化しつつあった「スミソニアン合意」の決定的破綻であった。
 世界資本主義の不均等発展は、IMF体制としての戦後世界資本主義体制を崩壊せしめ、ドルを通じ金へとリンクしていた通貨の保証体制を「合意」という形で存続させざるを得ない姿をさらけだした。それに対しての社会主義陣営からの闘いはますます広がり、民族解放闘争とともに、平和共存の闘いとして力強く前進している。中国の国連復帰をはじめとして、東方条約・朝鮮の「南」「北」共同声明等、世界資本主義の盟主としての米帝の動揺の中で、社会主義陣営の積極的攻勢は、帝国主義者に一定の妥協を余儀なくさせてきている。その中で、チリをはじめとして、プロレタリア階級の闘いも前進してきている。オーストラリア・ニュージーランド等に於ける労働党政権の誕生もその世界史的歴史の中で位置づけられる。
 かかる中に於いてインドシナ半島をめぐる情勢は、一月二七日パリに於ける「ベトナム和平協定」の本調印と二八日からの停戦、更には、二月二一日の「ラオス和平協定」−二二日停戦といった事態を迎え、一つの転換の局面にあることを明確にしていった。

a,「平和共存政策を背景とした反帝民族解放闘争の勝利的局面と、帝国主義間矛盾の深化を背景に“名誉ある撤退”を強いられた米帝国主義」
 ベトナム−ラオスをめぐる二つの和平協定は、双方ともその基本的特徴として、「人民の民族基本権−独立、主権、統一、領土、保全」を明示している。
 このことは、インドシナに於ける反帝民族解放闘争に対する国際社会主義勢力の直接的な政治軍事的−経済的支援と、またSALT交渉、NATO・ワルシャワ条約機構同盟軍の軍事力削減交渉といった国際的な平和共存=帝国主義の戦争政策への闘いといった政策に支えられつつ推行されていった結果であり、又英雄的なベトナム−ラオス人民の不屈の闘いの結果である。
 こうしたインドシナにおける反帝民族解放闘争の前進局面は、そうした国際的な反帝闘争としての平和共存政策に支えられつつ勝ちとられていった反面、今日の「ドル」10%切り下げ−円の変動相場制移行といった事態に象徴される、帝国主義間矛盾の深化といった作用にも、一つの要因をもっている。
 この帝国主義間矛盾の増大は、米帝の反共世界戦略の変更をよぎなくさせ、又日帝の肩がわりとして登場していることは言うまでもないが、今日のベトナム−ラオスを中軸としたインドシナ反帝民族解放闘争の前進への有利な条件としてあることを見なくてはならない。
我々は、ベトナム−ラオス和平協定をめぐる帝国主義干渉政策−軍事的介入に対する闘いの一つの結果としての「民族基本権」獲得といった前進面を基本的に確認しつつ、帝国主義勢力の新植民地−干渉政策に対決していく「武器」とし、ベトナム民主共和国−南ベトナム臨時革命政府−ラオス愛国戦線などを中核としさらなる国際反帝闘争の前進を切り開かねばならない。

b,「深まり、増大していく帝国主義間矛盾の中更なる国際反帝闘争の前進を」
 我々は、ベトナム−ラオス和平協定に象徴された米帝国主義の「後退」と、七二年十二月スミソニアン体制の、わずか二ヶ月の「寿命」として現れた日帝−米帝−EECを軸とした、帝国主義間矛盾−動揺の深まりを的確に把えていかなければならない。
 こうした、帝国主義の矛盾の深まりを有利な条件としつつ、インドシナに於ける「南」ベトナム「チュー反共軍事政権」・ラオス「アーマ反共軍事政権」と帝国主義の干渉−軍事介入に対する闘いを前進させていかなければならないし、帝国主義本国に於ける日本独占資本の戦争政策に対する闘いを組織していかねばならない。
 我々は、帝国主義間矛盾の増大を労働者階級、勤労諸階層への転化の下、のりきらんとしている政府−独占資本に対する闘いと共に、更なる反安保−反基地−反自衛隊闘争として、プロレタリア国際主義の旗の下、戦い抜いていかなければならない。
 
ミッドウェー横須賀母港化阻止・四次防粉砕を通じ安保・自主防衛路線に対する闘いを前進させよう
 
 一九七一年六月一七日沖縄協定調印後、日本国内の米軍基地返還に伴い、一方における北爆強化の中、沖縄協定の内実化として基地集中化が行われてきた。特に横須賀ではすでに、七一年九月段階で、米軍第一五駆逐艦隊が母港として新編成を行った。現在に至る過程での戦争荷担は、実に多大であり、自由出撃の基地として米軍ベトナム戦争の重要な位置にあった。
 横須賀における「防衛施設」を見ると、米軍三七十万平方、自衛隊三二九万平方と市域比でも七・二%を占め、既成市街地では、二一・四%に及ぶ。
 軍配備については在日米海軍の司令部があり、第七艦隊オクラホマ・シチーの母港、第十五駆逐艦隊の母港、さらに空母ミッドウェーの母港化決定、原子力潜水艦・艦船の恒久・恒常的基地化、上瀬谷受信所、戸塚送信所と無線中継所を介しての通信等が、現在の横須賀の町を正に基地の町といわしめている。
 
 ベトナム停戦−和平協定と、米帝の敗北が歴史の中に一つ一つ刻みつけられる中で、アジア地域における反共体制の変質を着々と遂行するニクソンドクトリンの展開に我々は再度着目せねばならない。それは「平和均衡を保つために日本と西太平洋地域にある米軍基地を維持することはこれまでどおり必要である」等の米国防衛担当の発言の内容に潜む意味は、ベトナム後のアジア地域における戦略基地日本を
前面に押しだしていく姿勢の堅持であることである。
 昨年二月レアード国防長官があきらかにした「海外母港化」の方向は「第七艦隊所属の航空母艦ミッドウェーの母港を、サンチャゴから横須賀に移す」として具体化された。これは安保条約第六条安保協による事前協議制さえも空洞化させていくものであった。この母港化は、ベトナム和平を見こしたニクソンの反共体制の整備・強化(横田への米軍基地機能強化集中−関東計画)である。それは新たな情勢の中での極東反共軍事体制の再編としてある。ASPAC参加国であったオーストラリア、ニュージーランドに労働党政権が誕生するなどアジア反共体制の動揺的局面は、「韓」国朴発言の「ASPACの発展的解消もありうる」ということに見られるように米帝の後退的動向の中でより醸成されてきたが、このような中での極東再編過程において日帝の肩代わり的役割が浮かびあがってきた。
 沖縄への自衛隊配備をテコとした国内軍備増強と、米軍基地機能集中強化による空海軍を背後強化することがニクソンドクトリンの今日的展開の姿である。日帝はその中に積極的に自らを位置づけている。四次防に見られる国内兵器調達と攻撃兵器の増大、更に防衛庁内に四次防以降を検討する研究グループを発足させる等の姿がそれである。
 
 かかる情勢の中での我々の闘いはどう提起されるか。
 昨年の我々の反基地・反自衛隊闘争は、相模原闘争総括の中で明らかにされたように(1.ベトナムとの連隊闘争2.全国的波及−各地域におけるとりくみ3.労組内における闘いの進展4.革新自治体の役割)、あくまでも国際連帯の追求を自国内独占に向け、各基盤における闘いと強固に結合させた原則的な闘いが反基地・反自衛隊闘争の前進局面を切り開いたといっても過言ではない。しかし又この闘争の脆弱さをも我々ははっきり見据えなければならない。
 防衛二法の改悪を中心に、自衛隊増強、定員増が憲法との根本矛盾を安保条約で隠蔽することにより進められている。更にそれは、経済の軍事化に伴う日本独占の利益を保障しつつ、先の反共軍事体制の強化として行われている。田中内閣はこのような中に存在し、その姿勢は四次防に如実に表現された。
 我々は昨年の闘いで切開いた地平を基礎としつつ、具体的課題としてのミッドウェー横須賀母港化を断固阻止しなければならない。そして独占を孤立化させる反基地・反自衛隊の包囲網を形成しなければならない。
 
帝国主義的国内支配秩序づくり、政治反動に抗し、労働者階級と連帯して闘おう!

 世界資本主義体制は、動揺を増々深めている。今度の国際通貨危機は、再度このことを白日のもとに曝け出した。各帝国主義の“不均等没落”の過程にある帝国主義において、延命の道は自国内における徹底した体制的合理化、インフレ政策の強
行と政治支配のさらなる強化貫徹である。
 日本資本主義の矛盾の拡大、深化のなか、動揺する自民党・独占資本の政治支配を立て直し確立することを任務として佐藤に代り登場したのが田中であった。田中の登場そのものが、日本資本主義の矛盾の深刻さを物語っていた。
 田中内閣は、列島改造・平和と福祉・日中国交回復等々の題目を並べたて、「佐藤政治」末期の自民党支持率の低下を引きあげるのにやっきになっている。それは「福祉時代」なる幻想をふりまき、ありとあらゆる矛盾の激化・爆発をイデオロギー的に隠蔽し「国内政策の断行」によって支持をとりつけつつその内実、独占資本の利潤に適合する形で国内再編−体制的合理化を強行していかんというものである。また一方、アジアにおける日米軍事共同体制の確立−帝国主義的対外進出体制にむけての安保・自主防衛は増々強化されている。「安保運用協」の設置(制服組の正式参加)、四次防での飛躍的軍備増強、自衛隊員の増員(「防衛二法」が今国会上程されている。)等自衛隊の帝国主義軍隊としての建設も着実にすすんでいる。

 そして、かかることに対する社会主義政党を中心とする批判勢力に対しては、「居直り」によって対処し、あるいは強権的弾圧によって圧殺していくという、その反動的本質を暴露しつつある。
 七〇年代に入るや労働運動の進撃は始まった。いまや階級的な労働運動にむけ押しとどめることのできない流れが生まれつつある。階級闘争は激化している。反マル生闘争の前進に見られるように、そしてスト権奪還闘争は、正に階級戦として鋭く推進されている。公害・労災などもすぐれて政治的課題として大衆的に立ちあらわれてきている。
 階級対立は増々尖鋭化している。階
級闘争は激化していかざるを得ない。このことは、昨年末選挙闘争の結果も物語っている。

 このような労働運動・プロレタリアートの反撃の闘いのなか、独占はいちはやく「福祉社会」の提起に示されているように、「福祉」をテコにしてブルジョア・イデオロギーを最大限鼓吹し、労働運動の分裂を図ってきている。いわば個別組合の丸がかえから総労働の抱き込みを目論んできたと言える。また社共の前進という結果に直接的には「危機意識」を強めつつ政治反動の強化を飛躍的に遂行していくその契機は拡大してきている。既に四次防先取り問題、自衛隊移駐の強行、M48戦車輸送の強行、行政権の強化(「国家行政組織法」案)等において既にこうした動きは明白である。こうした国内政治支配体制の強化は帝国主義的国内支配秩序作りとして憲法改悪を頂点に押し進められている。改憲の布石として小選挙区制への策動があり、また刑法の全面的改定を行うことが打ち出されんとしている。71年に刑法全面改正の必要を結論し『改正刑法草案』を決定した「法制審議会」はこの『草案』を基にして更に審議を進め、この四月に「最終答申」を公刊せんとしてい
る。政府・自民党はこれを受け法案の上程を狙って来るだろう。この改正により現行の刑法は「治安基本法」として全面的に改訂され、高揚する労働運動、社会主義運動の弾圧の武器に駆使される。『草案』にてみれば、軽犯罪法も保安上の観点から比較的長期の予防制度として運用され、騒動予備罪(予備罪に傍点)の新設、集団規定の新設など予防的な体制防衛を強く志向している。国家の労働者・人民に網羅主義的な刑罰による統制を目論んでいる。また「精神障害者」という名目で終身拘禁も可能な保安処分制度も採用せんとする。徹底した社会主義者の弾圧に向けられていることは明確である。「憲法改正案」も昨年既に自民党により出されている。改憲を頂点に政治反動攻勢は強まってくるであろう。刑法全面改正は改憲への一大突破口と言える。また労基法改正、女子教職員の育児休暇法案など、あるいは靖国神社法案等々、なしくずし的な改憲攻撃は激化している。治安政策も強化されている。警察官の全国六千人の増員(警視庁は「三カ年計画」で四千三百人の増員)も行わんとしている。更に「警察行動の範囲をこえた(治安)攻撃部隊」として「総勢一四八八人」の「特別装備をした精鋭部隊」も設置されているといわれる。また人民の網羅主義的統制の現段階と言える「アパートローラー作戦」も更に強めるという方針が出されている。国民総背番号制、刑法改悪へと結びつける攻撃と言えよう。

 反独占・反合理化七三春闘は、「ギリギリの階級対立」をふまえ、反撃の闘いとして闘われんとしている。スト権奪還闘争も更に前進しよう。プロレタリアートの政治闘争への決起も正にプロレタリアートとブルジョアジーの階級戦ということを全人民的に明確にしつつ発展しよう。田中自民党政府の政治反動に抗しプロレタリアートと連帯して闘おう。
 
 
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学費闘争を発展させ「筑波大学法案」「大管法」制定策動粉砕の闘いを進めよう
 
全ての大学で中教審路線実質化、自主改革攻撃への対決を鮮明にし、中教審路線粉砕闘争を飛躍的に前進させ教育闘争の発展をかちとろう
 
自治会民主主義の再生を克ちとり、階級的大衆的自治会再建の闘いを進めよう
 
(2)組織方針