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四 一九七〇年闘争の運動と組織
(1)六〇年闘争の総括と七〇年闘争の特徴
 かつてわれわれは六〇年闘争を闘い、多くの貴重な経験を得た。この闘いがわれわれに残した教訓を充分に消化して一九七〇年闘争にこれを生かさねばならない。
 第一に、一九六〇年当時と七〇年とでは、その背景となる国際情勢の差異を見逃してはならない。六〇年当時の国際情勢は一口でいえば五〇年代半ばからはじまった「東西の雪どけ」が五九年のキャンプデービットにおける米ソ首脳会議で一つの頂点をむかえ、一方では社会主義国家群をはじめとする世界の民主勢力の国際政治における影響力が増大し、米ソ両国が「平和共存」の方向へ大きく一歩を踏みだしたときであった。
 しかし一方、平和共存とは相反するアメリカのU2機のソ連侵入、中国封じ込め強化などが企図され、安保改訂もその一環であった。こうした共存に対する反動の動きに対決し、平和共存へむかう道すじとしてわれわれの安保反対、日本中立化の主張は一定の説得力をもち、このことが重いといわれた安保闘争を、国民的規模にひろげていくことを可能にした一つの要因となった。
 同時に、日本中立化の主張が一定の説得力をもった背景は中ソなど社会主義国がともに日本の中立化を強く期待する態度を正式にうちだしたことが、あずかって力があった。
 一方、七〇年は、米ソの協調にもかかわらず、ベトナム戦争と中東動乱を背景に世界の緊張は激化し、とくにアメリカの核脅迫に対抗する中国の核開発は、六〇年にはなかった。
 しかし今日の緊張激化の根源が、アメリカ帝国主義の干渉、侵略にあることは、ベトナム戦争の現状が何よりもあきらかに立証しており、また沖縄をふくむ日本全土がベトナム侵略戦争の基地として使われている現実が、安保条約の危険な本質を日本国民の前にあきらかにしている。そのことは六〇年当時と異質の、しかも直面する危機を阻止するための差し迫った国民的要求として、安保打破の課題を日本国民に提起しており、またベトナムのエスカレーションに応じて、ますます高まっている全世界と日本の反戦平和の闘争が、七〇年闘争を発展させる有利な条件をわれわれに与えている。
 われわれは、アメリカ帝国主義の世界戦略である中国封じこめとその重要な一環である反中国軍事同盟としての安保の本質を暴露し、ベトナム戦争と沖繩軍事基地の関係、あるいは日中両国人民の友好と団結にもとづく日中国交回復が、日本とアジアの平和確立に占める重要性を国民の前にあきらかにしていかねばならない。
 第二に、一九六〇年闘争は、砂川闘争以降、警職法改悪粉砕、勤評反対、ベトナム賠償反対等の大衆的統一行動のもりあがりをへて六〇年の絶頂においては、三池首切り反対闘争と結合し、さらに、六〇年以降の政暴法反対闘争へと運動は連続した。
 この大衆的統一行動にささえられた闘争の連続性とその基礎のうえに情勢に応じて運動のピークをつくりあげるという闘争方法は、七〇年闘争においてわが党が目的達成のために追求すべき戦術指導の方向である。
 そして、このピークにおいて政府危機または、政治危機が発展することは六〇年闘争の経験がしめ[ママ]ている。六〇年闘争の政府危機が岸内閣の暴走に端を発しているにせよ、岸をして暴走を犯さざるをえなくさせたのは、連続的な大衆統一行動の高揚の力である。
 しかしながら、六〇年闘争においてこのような、大衆運動の未曽有の発展と、国民世論の高揚にもかかわらず運動そのものが、政治の次元においては自然発生性のままに放置され、大衆の向うべき政権構想が、大衆の前にあきらかにされなかったことを反省しなければならない。
 第三に、六〇年闘争の背景となった経済情勢は、経済高度成長期で日本独占が、ある程度の賃金、生産者米価の引き上げと減税、雇傭機会の増大をなしうる余力をもっていた時期であった。したがって六〇年闘争の焦点となった政治課題と、経済的闘争課題が充分に結合しえない状況があった。
 六〇年闘争の集会デモの形態を一律に「街頭主義」と称して大衆が対政府要求をもって街頭にでることの意義を過少評価することはもちろんあやまりであるが、それにしても労働者の生産点での闘争との結合が充分でなかった。それにもかかわらず三池闘争との結合における活動家の意識の高揚、ならびに国民的規模での行動の高まりの中で六・四政治ストライキが果敢に闘かわれたことは高く評価すべきであり、七〇年闘争の大いなる教訓とすべきである。それに対し七〇年闘争の経済的背景は、高度成長の矛盾が累積し、貿易、資本の自由化とからみ「合理化攻撃の激化」「財政の硬直化」を招き、物価問題、都市間題、農村の荒廃などに典型的に見られるように国民生活の破壊作用をひきおこしている。特にポンド切下げ、ドル危機のもたらした世界資本主義体制の混乱とその一層の深化は、日本経済の前途に大きな暗影を投じている。そして従来国民のなかにあった、安保を廃棄し中立化した場合、アメリカの報復的経済断交により日本経済は恐るべき混乱につき落されるであろうという危惧の念は、いまでは動揺するドルにいつまでもしがみついていたのでは、日本経済はドルとともに破産の運命におちこむのではないかという不安に変り、対社会主義圈貿易の発展など、貿易構造の転換にみられるような日本経済の対米自立の要求をつよめている。
 このことは、財政経済面における深刻な情勢の発展を背景として、われわれが経済闘争と政治闘争を結合させて闘う条件を大きく拡大している。
 第四に、六〇年闘争は根本的には「安保改定反対」の守勢の闘争であり、条約の批准を認めるか否かが重大な闘いの焦点であった。また国民の中に既に定着していた平和と民主主義の価値観への、支配層の挑戦と攻撃を受けて立ったという受動的な闘いであった。これに対し七○年は、安保条約自動延長という方式がとられれば国会批准という闘いの場はなくなる。しかし、佐藤・ジョンソン会議を契機として、前述の内外における危機情勢に早急に対処するため、安保体制と自主防衛の強化との結合をはかることがアメリカと自民党政府の最重点目標となり、この目標に向って政府自民党は一九七〇年をまたず段階的に既成事実をつみあげようとしている。したがって、日米共同声明によって、七○年の安保再改定は事実上その第一歩をふみだしたものであり、われわれは直ちにこの闘いにとり組み、この闘いを通じてわれわれの側から主体的に闘争をまきおこし支配層をこれに巻込んでいくという攻撃的な闘いを展開しなければならない。そのためにわれわれは徹底的な平和と民主主義と生活向上の政策をもって大量の政治宣伝で大衆を思想的に獲得し、政治的経済的文化的要求を基礎にした闘争を、大衆の中から多面的能動的にほりおこしていかねばならない。その際とくに見逃してはならないのは正しい国会闘争が院外の運動を触発し全国的波及効果をよび起こすということである。国会においてわれわれは積極的に沖縄問題を主軸として七〇年問題を提起し、六〇年のような安保論争を再現しなければならない。
 第五には、六〇年闘争は「日本が戦争にまきこまれる」「日本が対米従属を深める」という形で争われたのに対し、七○年闘争は安保そのものの性格がアジア安保の色を濃くしている以上、単に日本の問題としてだけでなくアジア全体の問題としてとらえること、すなわち国民的な拠点との統一が果たされなければならない。すでに佐藤内閣は、昨年の秋、佐藤首相みずから二回にわたって東南アジア諸国を訪問し、経済援助をおとりに、政府レベルでの国際連帯の強化をはかっている。このような情勢に抗するためにも、ベトナム、日中、沖縄闘争、その重要な環として中国をはじめとするアジア諸国国民との、人民的レベルの連帯を強めねばならない。
 以上の六〇年安保闘争の総括の上に立って、七○年安保を闘い、その中から過渡的政府樹立の条件をつくり、わが党の主体的力量を増大させていく。それと同時に七○年闘争においては、一貫した政府目標を国民に明示しなければならない。この政府目標が国民を大きく闘争へ結集させることになるのである。
(2)運動の重点
 日本の独占と自民党政府は、彼らは彼らなりに六〇年闘争の経験から学び総合的な布石をうってきている。すなわち強力な権力動員体制をつくりあげ、軍国主義と福祉国家論に立脚する思想宣伝を強化し、われわれの中核勢力である労働組合の一部をさえ、体制内へひきよせることに成功している。
 また、反自民党勢力の一角をなすべき民社党、公明党をも彼らの側にひきよせようとしている。
 これに対し、民主勢力の側は六〇年闘争以降主として共産党のセクト主義により組織の分裂と運動の混迷をきたしている。労働組合運動も生産性向上運動にひき続く企業防衛、産業防衛の思想攻撃と露骨な組織分裂の攻撃を受け、一部組合機関のなかに非政治化、非階級化の傾向が現われている。とくに六〇年闘争の中核となった総評は、組織ののび悩みが目立ち「運動の曲り角」が叫ばれ、このような背景の下で、産業政策や労働戦線統一の問題が提起されているのである。
 われわれは明らかにたちおくれている。われわれは、労使協調についての批判をつよめ、組合民主主義にもとづく職場の労働者のたたかう団結を基礎とし、労働戦線の階級的民主的統一をめざしつつ運動の受動性を克服し、運動の能動性をつくり出さなければならない。
 現に第二組合が発生し、苛酷な差別支配のもとにあって、なお毅然として第一組合の旗を守り闘い続けている労働者や、協調的組合機関の合理化是認の態度に抗し、職場を基礎に闘い続けている労働者は数知れない。また労働者が全国的、全産業的に意欲をもって学習活動、討論集会に参加しはじめている最近の状況は目をみはらせるものがある。このような戦闘的労働者の闘争に依拠し運動を前進させる鍵は、わが党の指導性の強化いかんにかかっている。われわれは多様な大衆の要求に沿って運動を多発させ、その中で大衆の自発性を引きだし、一人ひとりを思想的につかみ、組織しなければならない。
 いうまでもなく、こうした労働組合運動の前進のためには、経済闘争、改良闘争の発展を重視しなければならない。経済闘争、改良闘争は、核安保、アジア安保をめざす日本帝国主義の基盤に挑戦するもっとも重要なたたかいであるばかりでなく、そのたたかいのなかで団結を固め、教育宣伝活動や政治的デモンストレーションなどを通じて政治的な意識と行動を発展させる基礎となるものである。
 こうした労働者階級の主たる場が職場、生産点にあることはいうまでもない。一九七〇年闘争の帰すうのひとつは、労働者階級が職場でどれだけ団結をかため、前進できるかにかかっている。同時に、労働者階級のたたかいは生活の場においても発展させなければならない。いま経済高度成長のしわよせを受けている労働者、農民、中小企業、また大企業本位の結果、交通禍、公害、住宅難等に苦しんでいる地域住民の間には潜在的に反政府意識が高まっている。この反政府意識を顕在化させ政府支配層の弱点である経済政策に闘争の鋭い矛を向けていかねばならない。
 そのたたかいは、組織労働者と未組織労働者や勤労諸階層の連帯の基礎となるものである。
 そのための運動は、第一に、指令四号による党づくりの努力を積み重ね職場から労働者の要求別統一行動をつくり出すことである。第二に、農漁民、中小商工業者の要求を反独占の運動に組織化し労働者の運動との提携に発展させることである。第三に、地域において住民運動、市民運動を多発させ、とくに革新首長を先頭にたて、各種市民運動の全国的統一をはかることである。
 以上の三つのたたかいを通じて、大衆闘争を政治的に高め、ベトナム反戦、沖縄返還、安保廃棄、護憲の政治闘争を大きく発展させなければならない。そのためには、わわわれは、言論、文書による教宣活動を飛躍的に拡大させる。主として地域において各階層別、地区労、県評の段階に応じた大衆集会、大衆デモを反復発展させる。またとくに職場の諸要求による労働者行動の統一を基礎に、七〇年闘争の一定の段階において、労農、労商提携にささえられた労働者階級のゼネストをふくむ大統一行動を目的意識的に推進する。これこそ、自民党政府打倒によって安保廃棄への突破口をひらく、決定的な組織力の発動形態である。
 なお、われわれの運動に重大な関連をもつものは、大衆の教育文化水準の向上と都市型生活様式からうみ出されている「市民意識」である。
 政治反動に対して抵抗するエネルギーをもつ市民意識、権利意識は自治体闘争や各種市民運動のなかで多くの運動経験を蓄積してきている。われわれはこの市民意識を尊重し、その自発性が発揮できるよう努力する。
 いうまでもなく社会党は、労働者階級の立場に立った、諸闘争の目標と方針をもっている。各種の市民運動は人道主義にしろ平和主義にしろ、われわれの闘いと多くの点で接触点をもっている。それ故、われわれは市民主義に埋没することなく、わが党の任務である階級運動の再編強化をはかるとともに、これら市民運動と積極的に連携していく。
(3)共闘の原則と主体の強化
 以上の闘いを前進させるため、われわれは全民主勢力の共同闘争とその前提としてわが党を中心とした勢力の主体性を強化することが必要である。民主勢力の現状は社会党系、共産党系の系列によってそれぞれ分断結集され、それが固定化しており、さらにそれ以外に、社共の系列に包含されない多くの運動や組織が存在している。こうした現状においては、「自民党政府打倒、国会解散、護憲・安保廃棄の政府の樹立」を目標として展望しつつ、当面はベトナム侵略反対、沖縄の即時無条件全面返還、在日軍事基地撤去、原潜原子力艦隊寄港反対及び賃金、米価、物価、公害等、国民生活をまもる諸課題を通じて覚の独自活動を強めつつ、党以外の政治勢力や組織との共闘を、従来の共闘の経験を尊重しながら多角的に組み合わせ、全体として七〇年闘争の共闘形態を重層的に形成していく。
 われわれの共闘路線を重層的と名付けるゆえんは、まず党と、党とともに護憲・安保廃棄の政府を支える諸勢力とのあいだにわが党の指導性を貫徹しうる共闘関係をうちたてるとともに、たとえいまは政府目標で一致しなくとも、基地反対とか、沖縄即時無条件返還とか、日中友好とか、小選挙区割反対といった個々の目的で一致しうるかぎりは、個々の目標の一致ごとにもっとも広汎な諸勢力との共闘関係をうちたてることを基本としているからである。
 この共闘にあたっては、つぎの原則が守られなければならない。
 第一に、すべての国民に扉がひらかれた組織であり、護憲・反安保を基本目標とし、その目標に障害となる特定のイデオロギーを持ち込まないこと。
 第二に、参加団体相互の自主性・独自性を認めあい尊重しあうこと。
 右の原則に基づき、安保廃棄を中心目標とする七〇年闘争に関する共同闘争は、まず平和・民主・独立・生活・権利を守る諸闘争の発展の中で社会党を中心とする幅広い勢力を結集するとともに、護憲・反安保の要求を大衆のものとすること、さらに、この社会党を中心とする勢力の主体性の強化を前提とし、護憲・反安保の目標で一致しうる政党ならびに他の民主団体とともに共同闘争を展開する。
 とくに強調すべきはわが党および党を中心とする系列の大衆闘争における主体性強化の問題である,このことは共同闘争を強め発展させていく上で不可欠の条件である。
 われわれは、わが党の指導性を貫徹しうる共闘組織として、反安保実行委員会を結成する。反安保実行委員会は、参加各種団体の自生性を尊重しつつ、党の基本路線の浸透を大胆にはかっていかなければならない。
 反安保実行委員会は、上部においては団体共闘の形をとるとしても、とくに職場地域の末端においては、大衆の自発性に基づく個人加盟の形を重点にして組織する。その末端の組織形態は「憲法を守る会」「くらしを守る会」などの種々の個人加盟の組織である。
 いうまでもなく、下からの大衆的な教宣と組織の努力なしに単なる総評系組織の上からの指令にたよる動員方式はすでに限界にきている。
 いまこそわれわれは下からの自発性による闘争の押し上げという方法に立ちかえるべきである。そこに要求されるのは職場・地域における党員一人ひとりの思想的影響力、政策的説得力、組織的行動力である。この行動体制を軸にして、冒険主義、セクト主義、体制順応主義など左右の偏向を克服し、国民各層に内在するすべてのエネルギーを結集しなければならない。
 個々の目標の一致を基礎とする他の政治諸努力との共闘は、院内での共闘や大衆運動次元の一日共闘などさまざまなかたちで発展させなければならないが、とくにその行動は国民から遊離しないように充分配慮しなければならない。
 また可能な限り、個々の目標の一致に基づく共闘組織も発展させられるであろう。政治三原則を基礎とする日中国交回復国民会議や沖縄連はその例である。
 わが党とともに安保廃棄をかかげる日本共産党との共闘については、反安保実行委員会と中央実行委員会とのブリッジ共闘などを通じて可能な限り共同行動を推進する。
 これらの共闘を通じて、護憲・反安保の戦線を拡大し、一九七〇年闘争のなかで樹立される護憲・反安保の政府の幅と厚みを増すだめに努力することがわが党に課せられた任務である。
五 一九七〇年闘争の勝利と政権への展望
 以上のような国民的綱領と運動の発展の上に、われわれは闘いの最終的集約としての政権樹立を提唱する。
 一九七〇年の前後数年にわたる闘いは、政治、軍事、経済、教育、文化の各部面にわたる総合的な闘いであり、その闘いのうねりの絶頂において、われわれは「護憲・安保廃棄」を任務とする政府樹立の課題に直面するであろう。
 われわれは、大衆闘争の高揚に支えられつつ、まず一九七○年までに国会解散、総選挙をかちとり、わが党の得票と議席の大幅増加を実現する。それに引続き政局の主導権をにぎり、自民党政府打倒、国会解散・安保廃棄の政府樹立をめざす。
 この政権は、七〇年安保闘争に参加した勢力を軸とした自民党の反動と汚辱のコースに反対する、すべての人びとを結集する反独占国民戦線を基礎にした政府であり、政権の形態はその時の政治情勢によって決定されるものとしても、社会党のヘゲモニーの下にある反独占・反自民の革新政府である。
 理論委員会報告は次のように指摘している。
「おそらくわが国においては、過渡的政府を実現するためにも前述した民主主義闘争の過程で、強力な大衆闘争の高揚と、さらには政治的・経済的な客観的な諸条件によって、政治的危機がつくり出され、その危機に対して新政府樹立の決意と政策を明らかにした指導政党と、労働者階級を中心とする反独占諸勢力が適切に対処し、これを突破することなくしては不可能である」と。
 この指摘はまさに一九七○年闘争の激動のなかにおける政府危機または政治危機の進行、その突破による安保廃棄の政府樹立の道を示している。いうまでもなく政治はつねにいくつもの可能性を包蔵している。自民党政府の支配体制の動揺による政治的危機の進行は、われわれの政府樹立への道をひらくと同時に、その反面、日米独占のむき出しの暴力支配であるファシズムを呼びおこす危険性をもはらんでいる。
 このような情勢の下で、決定的に重要なものは、わが党の強じんな組織的力量と、これを中心とする全民主勢力の統一と団結である。
 われわれは、七〇年闘争の前進と発展の中で「護憲・民主・中立」の政権を樹立するために、質量ともにそなわった党建設、党革新を行なわねばならない。
 そのためには質量とともに飛躍的に拡大・強化された数十万の党員と日刊の新報をもつ党を建設しなければならない。敏速かつ的確な情勢判断で大衆行動を指導できる党を建設しなければならない。社会主義の道義に徹し、大衆から敬愛される党を建設しなければならない。
 すべては、党員一人ひとりの決意と行動にかかっている。
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