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われわれの手で、われわれの政党を!(2)
 
(四)新労働者農民党
 社会党を除名されまたは脱党したいわゆる社会党正統派議員團は、日農の一部、國鉄革同等を糾合して労働者農民党の結成を準備しつつある。新らしい労働者政党を樹立し育成し民主主義完遂の主体的條件の確立を緊急の任務と考える点では、わが協議会も労農党準備会と意見を一にする。しかしながら新党を要望する労働者の大多数が労働者農民党に期待をつなぎえないのはなに故だろうか。新党準備会は、社会党に対しては鋭い批判をあびせながら、日本共産党に対しては、人々に新党結成の必要を納得させるに足る批判を行いえないこと、準備会の首脳者、少なくともそのなかの若干の人々は何故に端的に日本共産党に入党しないのかという疑問にたいして、反省を加えるべき余地がある。
 しかしながら同党準備会には黒田寿男氏によって代表されるかなり有力な農民勢力と、単純に新労働者党を要望して参加している若干の労働者勢力とがある。われわれはこれらの人々が極左追随主義者を克服することに期待し、また、これらの人々の勝利を通じて同準備会と友好関係に立ちうることを熱望するものである。
 
(五)われわれ自身の政党
 以上に述べた事実と批判とは、いまこそ労働階級と勤労農民とは、勇敢に立ちあがって、『われわれ自身の党』と呼びうる政党を結成し、育てあげるために、即時に、積極的な行動をおこす決意をすべき時機に来たのだという結論に達せしめた。           (1)では、われわれの政党は如何なる政党でなければならないか。これは日本社会党と日本共産党とが何にゆえにわれわれの政党でありえぬかという、以上に述べた理由から、おのずから明かにされたと思う。それは何よりもまず第一に、『われわれ自身の党』でなければならない。それはボスや議員團のデッちあげた政党ではなくて、労働者農民勢力を基礎としてわれわれ自身の手で打ち立て育て上げる政党であり、また何者かが作った政党を労働者や農民が支持したり利用したりするのではなくて、労働者と農民の階級的な政治勢力そのものだという意味で、われわれ自身の党を樹立しようとするものである。
 
(2) 第二には、日本社会党、日本共産党および新労働農民党準備会に対する批判からの当然の結論として、われわれの政党は、民主的な労働組合農民組合運動の統一された戦線に対応し、その基礎の上に立つ政党でなければならない。したがって、いまわれわれの目ざしている政党の実現によって、わが國における労働階級運動の再編成ははじめて完成されるものである。
 
(3) 第三には、労働階級の政党は当然に社会主義政党であり、科学的な社会主義の理論の上に立つ政党でなければならないが、それと同時にこの理論や原則をわが國の諸條件の下に適用し、民主主義の徹底と社会主義実現のための闘争を最も有効に展開するための戦略戦術は、他國の経験に模倣したり、或る一定のドグマに従うべきものではない。われわれはかかる盲信主義を排し、われわれの政党の戦略戦術はわれわれ自身、実践を通じて作り出されなければならない。
 
(4)最後に、われわれの政党は、現在の階級勢力の諸関係から見て不可能な、いたずらに高度な政策をかかげて観念的に満足するものではなく、実現可能な政策を責任をもって約束するものでなければならない。 われわれの当面している諸情勢から見て、政党問題が早急に解決を迫られている重要課言であることにかんがみ、われわれ組合運動者はできうるかぎり広い範囲にわたって有志の会合をひらき、数回にわたる慎重かつ徹底的な検討と意見の交換をかさねた結果、以上の見解について完全に意見の一致を見たばかりでなく、これにもとずいて即時積極的な行動を起すことを決定した。
 
 われわれの志す政党は、少数の議員や政治家の集団を基礎として出発しようとするものではなく、われわれ組織労働者自身の発意と積極的な努力によって下から築ずき上げようとするものであって、この点でも、これまでの如何なる勤労者政党にも見ることのできなかった階級的意義をもつ出発点から発足しようとするものであり、またこの点でも真実にわれわれ労働階級自身の政党たらんとするものである。しかしながらこのことは、われわれの政党が、排他的な労働者のみの政党という意味ではない。われわれの政党は、労働階級と農民およびその他の勤労階級とを緊密に結びつける同盟体でなければならない。 以上のごとき構想と目標をもって、われわれは社会主義政党結成促進協議会を組織して、『われわれ自身の政党』の樹立を促進するために、組織労働者はもとより、農民その他の勤労者層、知識人のあいだに廣く同志の協力を求めて精力的な行動を開始するものである。
 だが、この運動を、大衆的な運動としておし進めるために協議会は単なる協議機関にとどめないで、会員として廣く同志の参加を求め、実体のある大衆的団体として強力に運動を展開するものである。
 
    一九四八年十一月社会主義政党結成促進協議会実行委員−五十音順−
委員長 荒畑寒村 (政治教育同盟)
浅野正三(日石労組)
相沢尚夫(日労本部)
秋沢克彦(日労本部)
今野賢三(政治教育同盟)
石井安一(全電工)
伊藤良雄(全金属)
入江汎(東京無所属)
磯村博輔(日石労組)
石田寿久(富士フイルム)
伊藤文夫(全日通)
岡部寛三(国鉄)
大倉旭(炭労)
大野啓三(東芝鶴見)
河田進(日放労)
小林正幸(東芝車両)
小堀甚二(政治教育同盟)
越村良雄(東芝足立)
坂入清(東芝大船)
向坂逸郎(政治教育同盟)
柴谷要(国鉄)
田浦政雄(炭連)
轟藤十郎(政治教育同盟)
中島喜三郎(政治教育同盟)
春山宗房(全国ガス)
萩原千秋(全映連)
平林たい子(民主婦人協会)
平岩一夫(富士フイルム)
御厨美年(炭連)
杉本?郎(全新聞)
山川均(政治教育同盟)
了海明治(東芝小向)
渡辺文太郎(全新聞)
農林食管有志
関東財務有志
全国専売有志
建本東京有志
農林職組有志
労働省職組有志
農林林野有志
 
お願い
この問題をできるだけ広く大衆討議にかけ、この趣旨に御賛同の団体または有志の諸君は十二月末日までに実行委員をあげてご連絡ください。東京都台東区上野駅三階 国鉄労働組合上野支部内 社会主義政党結成促進協議会
 
社会主義政党結成促進協議会規約草案
一、名称
 本会を社会主義政党結成促進協議会と称し.事務所を東京都に置く。'
二、目的
我國に労働者を指導勢力とする勤労階級の大衆政党の組織を準備することを目的とする
三、会員
 第二項の目的を達成するために積極的に協力しようとする有志をもって組織する
四、事業
 第二項の目的を成功的に逡行するために次の事業を行う
 (A)労働組合、農民組合、労農諸政党に対する本会の趣旨の宣伝
 (B)組織さるべき労働者政党の性格、綱領、政策、組織方針等の研究、宣傅
 (C)政党実現を促進するために、労働者、農民勤労大衆の政治的闘争を組織する
 (D)其の他
五、機関
(A)総会
(B)実行委員会
(C)常任実行委員会
(D)専門委員会
六、総会の召集並びに運営に関する規定は別にこれを定める
七、常任実行委員は実行委員会の互選による
八、各機関の決定は多数決による
九、役員
  協議会議長 一名
  実行委員   若干名
  常任実行委員 若干名
 十、専門委員会は必要に応じて設け、委員は実行委員会が委嘱する
 十一、会員五名以上の地域ならびに職場に支部を設け、支部実行委員を選任する
 十二、経費
 (A)経費は原則として会員の会員をもって支辨する
 (B)その他寄付金及び事業収入を当てる
 十三、会員
(A)入会金 実行委員一名につき一口(二百円以上)以上
         会員一名につき 三十円     、
(B)会 費 一名につき 毎月五十円
(C)会費はすべて地域或は職場支部実行委員が一括してこれを本部に納入する、各支部に支部員十名毎に一名の会費徴集責任者を委嘱する。
 
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