日本社会党規約(1964)後半
第三節 中央執行委員会
第五十条 中央執行委員会は党を代表する最高の執行機関であって全国大会および中央委員会に対して責任を負う。
中央執行委員会の任務は次の通りである。
一、全国大会および中央委員会の決議に従い、これを積極的に実践する。
一、党の政策、指導方針を決定し緊急な重要案件に対する方針を決める。
一、全党を指導し、全党の活動と下級組織の管理と点検を行なう。
一、党の政策、方針を全党の実践と学習によってたかめ、正しく発展させる。
一、中央本部の財産および資金を管理する。
中央執行委員会の運営細則は別に定める。
第五十一条 中央執行委員会は緊急やむをえないときは重要事項に関する決議権をもつことができる。
但し、二十日以内に全国大会または中央委員会を招集し、その承認を求めなければならない。
第五十二条 中央執行委員会は中央執行委員長、中央執行副委員長、書記長、および中央執行委員で構成する。
中央執行委員長が招集し、二分の一以上の出席によって成立する。統制委員長、会計監査、各部門の正副の長および中央オルグは、中央執行委員会の要求する場合、またはその承認をえて出席し、所管事項について報告し意見を述べることができる。
第五十三条 中央執行委員会は党務を遂行するため書記長の統括のもとに次の局、室、委員会をおく。
一、総務局
一、組織局
一、労働局
一、農漁民局
一、中小企業局
一、地方政治局
一、青少年局
一、婦人局
一、国民運動局
一、教宜局
一、国際局
一、機関紙局
一、国民生活局
一、企画室
一、政策審議会
一、財務委員会
一、選挙対策委員会
一、国会対策委員会
局、室、委員会におかれる部門は、中央執行委員会が決める。
なお中央執行委員会は必要に応して特別委員会を設置できる、
第五十四条 中央執行委員会は中央オルグ、地方オルグを任用する。オルグの運用細則は別に定める。
第五十五条 中央執行委員会は党務を遂行するために書記を任用する、書記に関する規定は別に定める。
第四節 中央本部統制委員会
第五十六条 中央本部統制委員会の職権は次のとおりである。
一、党組織および党員の規約と規律の遵守状況、決議、指令の実践状況を査察し、その違反についての統制処分。
一、県本部または中央執行委員会から経由された事項の審議、および下級統制委員会決定に対する異議の中立てによる最終決定。
一、中央本部執行機関に対する勧告、県本部に対する勧告および、解体、中央本部役員、国会議員、知事、政令都市の市長に対する処分についての最終決定。
一、甲県本部所属党員に対する、乙県本部統制委員会決定による統制案件の最終決定。
第五十七条 中央本部統制委員会は次の事項につき議決しなければならない。
一、中央執行委員会が送付した事案。
一、県本部が中央執行委員会を経由して送付した事案。
一、中央本部統制委員二分の一以上の同意を経て発議した事案。
一、異議申立事案。
第五十八条 中央本部統制委員会の決定は中央執行委員会に通告され、直ちに効力を発する。その執行については中央執行委員会が責任をもつ。
第五十九条 統制委員会は統制委員長と統制委員で構成する。
書記長、総務局長、組織局長は出席して意見を述べることができる。
中央本部統制委員会に事務局をおく。
第六十条 統制委員会は統制委員長が招集する。但し統制委員の二分の一以上の要求があったときは統制委員会を招集しなければならない。
第六十一条 統制委員会は統制委員二分の一以上の出席により成立しその半数以上で議事を決める。ただし、党員の除名および党組織の解体決議は三分の二以上出席し、その三分の二以上の議決を要する。
統制委員会の構成員が統制事案の対象となったときは、その事案の審議期間中、審議権と前項の成立要件を失う。
中央本部統制委員会の運営細則は別に定める。
第五章 中央本部役員
第六十二条 中央本部に次の役員をおく。
一、中央執行委員長
一、中央執行副委員長
一、書記長
一、統制委員長
一、中央執行委員
一、各局、委員会の正副の長
一、各委員会の事務局の正副の長および専門部の正副の長
一、統制委員
一、会計監査
一、顧問
第六十三条 中央執行委員長は、中央執行委員会の議を経て、各局委員会におかれる部門の正副の長および事務局の正副の長を任免する。
第六十一条 中央執行委員長は党を代表し党務全般を総轄する。
中央執行副委員長は中央執行委員長を補佐し、中央執行委員長事故ある場合はこれを代理する。
第六十五条 書記長は中央執行委員長を補佐し、党務を統轄する。
第六十六条 統制委員長は統制委員会を代表し委員会の統制を司どる。
第六十七条 中央執行委員会は、党務遂行、全党の指導のために任務を分担する。
第六十八条 各局、委員会の長は委員会を管掌し、部長は部を管理して党務を遂行する。副委員長ならびに副部長はそれぞれの長を助ける。委員会の事務局長は委員会の事務を司どる。
第六十九条 統制委員は任務を分担して全党の統制にあたる。
第七十条 会計監査は党の会計を検査し全国大会および中央委員会に報告する。
第七十一条 顧問は中央執行委員会の諮問に応じ、また意見を述べることができる。
第七十二条 各役員の任期は次の定期全国大会までである。但し中央執行委員長が任命する役員はこの限りでない。
第六章 書記およびオルグ
第七十三条 各級の執行委員会は日常の党務を遂行するために書記を任用する。
第七十四条 書記は次の任務をもつものとする。
一、書記は書記長の統括のもとに執行委員会の決定を処理する。
一、大衆運動、党組織の管理に関する指導と具体的処理および政策活動を行なう、
第七十五条 党のオルグは、支部オルグ、地区オルグ、県オルグ、地方オルグ、中央オルグと各級組織に見合う職能オルグとする。
オルグは任務を遂行するために必要な資料などをうけ、上級組織に登録され、身分が保障される。
オルグは上級オルグまたは各級の役員、書記、職員に任用されるための機会をあたえられる。
オルグは当該執行委員会および上級縦組に対して定期的に報告書を提出する。
第七十六条 オルグの任務は次のとおりである。
一、支部オルグは、
@ 支部および総支部から与えられた任務を遂行する。
A 班に対し党の決定を徹底させ、党費を集め、機関紙誌を配布し、班の活動を点検する。
A 積極的に活動に参加し、覚の綱領、政策、決議を実践し、指導的任務を果たす。
二、地区オルグは、総支部および県本部からあたえられた任務を遂行し、各支部に対し党の諸決定を徹底させ、大衆運動ならびに支部の活動を点検指導する。
三、県オルグは、県本部からあたえられた任務を遂行し、大衆運動ならびに総支部の活動を点検指導する。
四、地方オルグは中央本部および県本部からあたえられた任務ならびに中央オルグの任務を分担し、大衆運動の指導と下級組織の点検を行なう。特に委任された場合には中央本部または県本部の執行委員会を代表し、その権限を代行する。
五、中央オルグは、中央本部からあたえられた任務を執行し、下級組織の活動を点検指導し、委任を受けた場合には中央執行委員会を代表し、その権限を代行する。
六、職能オルグは各級のオルグの任務に準じ、特に職能団体対策、職能別の闘争を点検指導する。
第七章 支持団体および党友
第七十七条 党の綱領、政策、方針を大会(総会)で支持し支持団体になることを決議し、定期的に一定の支持費を納める単位全国団体は中央執行委員会の承認によって中央本部の支持団体となることができる。
中央本部の支持団体は、数都道府県以上にまたがる全国組織で、組織数が一万人以上の団体とする。団体員の二重になる支持団体はこれを認めない。
但し、労働組合以外の支持団体については別に定める。
第七十八条 地方または都道府県以内の一千人以上の単位団体は党の県本部の支持団体となることができる。中央本部の支持団体となっている団体の場合は組織数に関係なく認める。
なお原則として党の総支部に対する支持団体は認めない。
第七十九条 支持団体はその所属する機関の大会に代議員を選出することができる。
但し、選出される代議員は党員でなくてはならない。
第八十条 党に対し積極的に援助するものは、支部の推薦または承認をえて党友とする。党友に関する規定は別に定める。
第八章 議員および首長
第八十一条 党所属議員および首長は、党の方針、政策の宣伝と実現に努力し、議会外における国民の諸闘争と結合し、その要求を実現するために党活動の先頭に立ち、別に定める議員および首長行動方針を守らなければならない。
第八十二条 各級議員および知事、市、区、町、村長は左記により統制をうける。
一、国会議員および知事、政令都市の市長−−中央本部
二、都・道・府・県議会・および市・区・町・村長−−県本部
三、市・区・町・村議会議員−−総支部
但し、政令都市の市議会議員はその県本部の統制を受ける。
第八十三条 国会議員は国会議員団を組織する。国会議員団は、衆議院議員団、参議院議員団を構成しそれぞれの責任者をおく。
国会議員団は中央執行委員会の統轄のもとに国会対策委員会の指導にしたがう。議員団の運営については別に定める。
国会議員秘書は国会議員秘書団を組織し、国会対策委員会の指導をうける。
第八十四条 党に所属する都道府県議会議員、市区町村議会議員、各級首長は、都道府県地方議員団会議および都道府県首長会議を組織し、それぞれの代表をもって地方議員団全国会議、各級首長全国会議等を組織する。
第八十五条 地方議会議員はそれぞれ所属する議会において議員団を組織する。
特別の事情によって他党と共同した議会内交渉団体をつくるときは、第八十二条による機関の承認をうけなくてはならない。
第九章 財政
第八十六条 党活動の資金は党費、支持費、分担金、大衆カンパ、事業収入および寄付金によってまかなわれる。
第八十七条 党費は党員一名につき月額一〇〇円を最低として毎月支部に納入する。
中央本部は月額二十円とし、県本部から毎月中央本部に納入しなければならない。
第八十八条 県本部費は県本部が、総支部費は総支部が最低党費の三○%を基準として、それぞれ決める。
支部は収入の一%を基準として、段階別党費をとる。家族、学生、長期療養者などの党員の党費は減免する。
第八十九条 国会議員党費はその歳費の一〇%とし、その他の各級議員党費は最高その歳費の一〇%とし、逓減する。逓減の基準は別に定める。
各級首長およびその他の公職にある党員は収入に応じて一定額の党費を県本部または総支部に納入する。
第九十条 県本部は議員党費のうち一定額をその党員の所属する下級組織に還元納入しなければならない。
第九十一条 中央本部に選挙基金会計、専従者共済基金会計その他必要に応じて特別会計を設ける。基金規定運営細則は別に定める。
第九十二条 党に対する寄付金の受領は当該執行委員会の承認が必要である。
第九十三条 会計年度は毎年定期大会から次の定期大会までとする。
会計細則は別に定める。
第九十一条 党の予算および決算は大会の承認が必要である。
第十章 規律
第九十五条 党員または党組織で次の一つにあてはまる行ないのあったときは統制委員会によって処分される。
一、党規約に背く行ない
二、党の面目を汚す行ない
三、議員行動方針に背く行ない
第九十六条 党員に関する処分は次の通りとする。
@ 除籍
A 警告
B けん責
C 役職からの解任
D 期限を切った党員権の制限
E 除名
第九十七条 党組織に対する処分は警告、指導機関の交代、組織の解体とする。
第九十八条 選挙に際して党規律をみだしその処分の急を要する場合に限り、県本部または中央執行委員会はその責任において除名を決議することができる。
但し、その処分を統制委員会に報告し追認をえなくてはならない。統制委員会がこれをみとめないときは直ちに党籍を回復する。
第九十九条 統制処分について不明なときおよびその処理を不当とするときは、順次上級統制委員会または各級組織の委員会、大会に提訴することができる。
但し、その決定があってから三十日以内とする。
第十一章 付則
第一〇〇条 党の綱領および規約の改正は全国大会出席代議員の三分の二以上の多数の賛成をえなければならない。
第一〇一条 本規約による諸規定、細則は、中央執行委員会が定める。
第一○一[ママ]条 本規約は昭和三十九年十二月十一日から施行する。