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社会主義革命と日本社会党

 国民のほんの一部が、主要な生産手段をにぎり、その生産物を独占することによって、他の国民を支配し、なおかつ、利潤の増大のために搾取と収奪を強めることが許されるかぎり、いくら改良を積み重ねても階級対立は緩和しません。むしろ、すでにのべたように、生産力の発展に伴って、階級の利害の対立は大きくなります。階級闘争は、これまで搾取され支配されてきた、圧倒的多数の労働者階級を中心とする勤労諸階層が、独占資本の独裁を倒して国の支配者になり、生産手段を国有にして搾取の根源を取除くまで、発展せざるをえません。
 現実に私たちの周囲で、その法則にそって政治、経済、文化のすべてに、階級対立が鋭くなっています。そして独占資本の支配、自民党の政治に対する不満と不信は、年ごとに大きくなっています。
 労働組合のたたかいは、しだいに大規模になり、激しくもなっています。自民党の得票は、選挙のたびに少なくなっています。独占資本と自民党のウソが徐々に暴露されているのです。私たちは、意識的、積極的に、そしてより広く、この暴露を行なわなければなりません。また敵を追いつめていくために、組織的な力を大きくしなければなりません。

 階級矛盾が激化しているにもかかわらずその暴露が十分でないと、社会全般の荒廃のうちにあって、大衆の政治不信がつのります。私たちは、どこに怒りを向けてよいのか、わからないでいる大衆がふえていることを、重視する必要があります。
 彼らは、現状否定でありながら、労働者階級の団結にも反感をもっています。中間諸階層や未組織労働者のなかには、その意識が拡がる条件があります。この大衆のエネルギーが、矛盾のいっそうの激化のもとで、独占資本の反社会主義の思想攻撃と結びついたとき、それはファシズムに組織されるおそれがあります。
 階級闘争の前進のためには、反独占・社会主義の戦略をもって、労働者階級を中心とする勤労諸階層の先頭にたってたたかっている日本社会党を支持し、共に前進することが重要です。また私たちは、労働組合をはじめ、あらゆる大衆組織を強化する必要があります。とくに労働組合のなかで、日常不断の反合理化闘争と学習活動、抵抗と仲間づくりをつうじて労働者階級の思想を確立することを重視する必要があります。

 同時に私たちは、共通の敵とたたかうために、社会党を中心に、すべての革新政党、労働者、農漁民、小経営者、学生、知識人、自由業者を組織的に結集し、独占資本を孤立させなければなりません。とりわけ私たちは、無数の青年を、反独占の戦線に組織化する任務をもっています。こうして、独占資本とたたかう統一戦線をつくりあげることができれば、私たちのたたかいは、非常に有利になるだけでなく、客観的条件の成熟のもとで、独占資本の権力を打倒し、社会主義革命を実現することができます。
 現在の日本では、強大な組織的な力、すなわち、社会党を中心とする強固な中核と、反独占統一戦線による数千万の国民の政治的統一をもって、社会主義革命を実現することができます。武器の力では、独占資本の権力を倒すのは不可能です。このことを科学的社会主義の理論が教えています。


帝国主義の後退と社会主義の優位

 帝国主義の後退、社会主義体制の優位性の確立と民族解放闘争の前進は、ますます明瞭になっています。帝国主義諸国内での階級闘争も、高まっています。
 社会主義諸国は、すでに一四になり、世界人口の三分の一が、搾取のない社会に住んでいます。(帝国主義国とその植民地は六分の一)。ソ連をはじめ、各国の社会主義建設は着実にすすみ、国民の生活は年々豊かになっています。文化の発展、科学の進歩も、めざましいものです。
 社会主義世界体制の発展が、世界史を動かす、決定的な要因となっています。

 ベトナムでの不屈のたたかいに代表される、民族解放闘争も、いくつかの部分的な後退にもかかわらず、力強く前進しています。帝国主義は、いまなお各地で狂暴な攻撃をくり返し、民族の正当な権利を奪っています。だがそれは、歴史の流れをおしとどめることはできません。各国の独占資本はもはや、かつてのように勝手な市場争奪をできないばかりでなく、次々とそれを失っています。
 今日では、平和共存政策は帝国主義勢力の侵略・戦争政策を積極的に阻止していく、国際的な階級闘争の重要な柱となっています。

 帝国主義諸国は、前進する社会主義の力に対抗するために、相互に依存しあっています。しかし各国の独占資本が、生産と市場の拡大をもとめるかぎり、対立・競争も激化せざるをえません。それはまた、各国内での矛盾を深めています。
 これまで長い間、世界に君臨していたアメリカ帝国主義は、その国際的地位を低下させるとともに、国内では政治、経済、文化のすべてに腐敗が著しく、国民の不満が高まっています。西ヨーロッパ諸国では、インフレと資本主義的合理化に対する、ストライキの波が拡がっています。とくにイタリア、フランスなどでは、経済闘争においてだけでなく、政治的な力としても、かつてなく強大です。

 こうして、反帝勢力は全世界で前進し、帝国主義の後退は、もはやとめようがありません。一方のたゆみない前進と、他方のたえまない後退は歴史的に見ればもはや帝国主義の時代が終りつつあることを示しています。
 私たちが世界の仲間たちと連帯してたたかえば、歴史の歯車をさらに強くおしすすめることができます。とりわけ、日本の多くの青年が、各国の進歩的青年組織を結集している世界民主青年連盟を中心に、あらゆる国の青年と、ともにたたかい、その教訓を学びあうことは、ますます重要になっています。

社青同の歴史

 社青同は、一九六〇年に、安保と三池のたたかいのなかで結成されたときから、一貫して、独占資本とたたかい、青年労働者を中心とする広範な青年の組織的な力を高めながら、社会主義革命をめざして活動して来ました。
 私たちは、平坦な道を歩んできたのではありません。しかしその困難なたたかいは、貴重な教訓をもたらしています。
 六〇年代の前半には「高度成長」のなかで支配体制を固めつつあった独占資本に対して、職場からの反撃の芽を育てながら、組織と思想の建設を追求しました。
 当時、独占資本とその政府は、職場では大規模な合理化とともに、労資協調思想を労働者におしつけ、支配体制の強化のために、憲法改悪をうちだしていました。
 労働運動のなかでは、いくら抵抗しても敗けるから、敵もうけ入れざるをえないような政策をだしながら、徐々に敵の力を弱めて、社会主義に移行できると説く、改良主義が拡がってきました。
 社青同の一部にはその影響をうけて、反合理化闘争と学習活動を軽視して、幅広い青年の意識にあわせた運動だけを強調する考えが大きくなりました。
 しかし、職場でたたかっている同志たちは、敵の攻撃の本質を見抜きました。そして、反合理化闘争を基礎に、労働者階級の組織を固めつつ、帝国主義的支配体制そのものとの、全面的な対決をめざす姿勢を確立しました。その主張は、六四年の第四回大会で、正式に確認されました。
 六〇年代の後半は、独占資本とその政府が優勢を誇り、労働運動は一時的に停滞していました。
 多くの同志たちは、職場抵抗にもとづく労働組合の強化と学習活動をつうじて展望をきりひらこうと、粘り強いたたかいを続けました。それは、労働組合の右傾化、階級対立を否定する市民主義の傾向のなかで、きわめて苦しいたたかいでした。

 その困難な状態を利用して、同盟内にもぐり込んだ極「左」主義者が分派活動を強めました。他の同盟員の間にも、若干の動揺がおこりました。
 しかし、三池の労働者に学び、反合理化闘争と学習活動を続けていた同志たちは、班活動の確立を基礎に、組織のたて直しをすすめました。同時にその過程で、労働者階級を中心とする勤労諸階層の団結を否定する思想とのたたかいの重要性を学びました。すなわち、労資協調の思想はもちろん、少数の活動家のみでの玉砕的な戦術をあおる極「左」主義も、階級闘争の発展に敵対するものだという教訓をつかむことができたのです。

 七一年の第一〇回大会で、社青同の思想統一がなされ、それ以降の急速な成長への道がひらかれました。私たちは、こうした歴史をふりかえってみるとき、「青年の任務は学ぶことである」というレーニンの教えが、いかに大切であるかを痛感します。社会主義の理論と実践を学べば学ぶほど真面目な青年をひきつけ、社青同の活動が豊かになり、青年運動のなかで指導的役割をはたすことが実証されているからです。

社青同の決意

 資本主義の矛盾が深まり、労働者階級を中心とする、勤労諸階層の不満が高まっています。周囲の青年たちは、怒りといらだちにかりたてられながら、進むべき道をさぐっています。この青年たちを、誰が、どの思想をもって組織するかが、これからのたたかいを決定します。
 私たちは、科学的社会主義の理論によってうらづけられた労働者階級の思想、すなわち、すべての働くものが団結して、独占資本の権力を倒し、社会の主人公となることによって自らを解放するという思想を、すべての若い仲間たちのものにするために、全力をあげてたたかいます。

 独占資本が、階級支配の本質をかくし、労働者階級を攻撃する思想をさまざまにつくりかえ、青年の階級的自覚を抑えようとしている現在、理論の武器を磨くことは、私たちの最も重要な任務の一つです。そのために、日常の活動をつうじて、階級闘争の現実を学ぶとともに、マルクス、エンゲルス、レーニンをはじめとする、世界と日本の先輩たちがつくりだした、理論的成果を吸収することが重要です。科学的な理論の力によって、私たちは、階級対立の、部分ではなく全体を、現象でなく本質をみることができ、現在と同時に未来の展望を認識して、確信をもって仲間たちに語りかけることができます。
 私たちは、独占資本の搾取と抑圧に対する、あらゆるたたかいのなかで自らを鍛え、大胆に青年たちに働きかけます。そして、社会主義の思想をひろめ、無数の青年たちを組織しながら、社青同自身の躍進をかちとることを通じて、勝利の道を、さらに大きく切り開こうとしています。
 そのために、次にかかげる任務を、すべての同盟員の共同の決意としながら、多くの若い仲間が社青同に結集することを呼びかけます。

一、独占資本の支配をうち倒し、社会主義の実現をめざしてたたかいます。
一、日本社会党を先頭とする反独占統一戦線の一翼をになう、強大な青年戦線を組織します。
一、働くものの生活と権利を守り、民主主義と平和をかちとり、資本主義文化の退廃に抗してたたかいます。
一、あらゆる職場、学園、地域で青年の団結を強め、同時に、全世界の労働者、進歩的青年と連帯します。
一、科学的社会主義の理論を学習し、あらゆるたたかいのなかで学びながら、自らの向上をめざします。
一、社会主義者にふさわしい生活態度を身につけ
、いつでも組織の一員としての自覚をもって活動します。