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大会討論を掘りさげ、一致点をつくりだすために
社青同第九回大会議運委員長の集約
 
 日本社会主義青年同盟第九回定期全国大会は、九月二十一日から三日間東京・社会文化会館でひらかれました。本大会は、第二十九回中央委員会および同続開中央委員会において中執原案が採択されなかったことにひきつづき、ほぼ三つの見解が提起されるという変則的な形となり、さらに、大会第二日目に中央執行委員会が総辞職する事態も発生、同盟の危機を露呈したといえます。しかしながら、七〇年安保闘争にむけて青年戦線の中心的役割を果たさなければならない社青同がさまざまな意見の不一致を内包しながらも全同盟の一致した行動をかちとらねばならないという課題は圧倒的多数の代議員や全国の同盟員の渇望するところでした。そうした要請にこたえ大会は、中執辞任後も、大会幹部団とりわけ議事運営委員会を中心にさまざまな困難を乗りきり、大会の成功と全同盟の行動上の一致をかちとりました。そこで行動上の一致点を深めるために桐井議運委員長の集約内容を紹介します。
 
 討論の整理と発展のために
 討論の中で背語られてきた問題点は、たとえば日本の帝国主義的な支配の強化、あるいはその再編成という言葉が多くの代議員からだされました。その掌握がどのようになされているのか。帝国主義的な支配の再編成、強化というものを具体的な職場における、あるいは日々の我々の支配秩序の中での問題として、どのようにとらえるのかという点での情勢のとらえ方の違い、その中における敵の力、あるいは敵がどのような存在としてあるのかという中身についても、必ずしも意見が一致しなかっただろう。
 そのような中で、情勢のとらえ方としてそのような情勢を生みだす青年労働者の社会主義革命にむけてのエネルギーというか、社会主義革命の前進というものが、いかなる労働者階級の存在の基盤と、そこから生まれる闘いの契機によって今生み出されようとしているのかという点での議論についても、やはり論点としてあっただろうと思います。
 
 したがって、そのようなものを結集し、あるいはそのようなものを高めていく、そのようなものとして我々はかちとっていく中味が一体なんであるのかという点についても論争点であったと思います。
 そのような中で、では改憲阻止・反合理化の基調が第四回大会で確認された当時の情勢の中で果たした意義と、その後の情勢の中でそれがどのような我々の社会主義革命へ向けての力をつくりあげていく上で意味をもっていたのかもっていなかったのかということが、我々の力を社会主義革命へむけての力をつくりあげていくのか、そのような中で基調のもつ役割がなんであり、なんでなかったのかという問題は避けて通れない問題として残されていると思います。
 
 まず一つ、支配秩序の強化という中で、今の労働組合がおかれている意味、今の労働組合の存在をどのようにとらえるのか、評価するのかという問題が、まずもう一つ論争点になったとだろうと思いますし、そういう状況の中で現在の労働運動、社会主義運動に我々は身をおいているわけですが、そのようなものと我々との闘いとの諸関係というか、そういうものについての論点も必ずしも一致しなかったし、今後に残された問題であろうと思います。
 そういった意味で、反戦青年委員会の問題や労働組合の位置づけがまだ十分討論しつくされない問題として残されているだろうと思います。
 その問題は、次期中央執行委員会の責任のもとに詳細な大会議事録を下部討議の素材としておろし、それを可能な限りそのままおろすのではなくて、論点を整理して討論をまき起こしていくということで次期中執の任務を考えてもらう、あるいはここに集まってきた代議員が、今回の大会の中で明らかになった問題点をさらにほりさげていくという確認によって今後の課題を設定しておかなければならないと思います。
 ただ一点強調されなければならないのは、我々のこのような論争と議論の深まりは、ここに提起されたいわば第一、第二、第三の見解にそれぞれがとどまるならば、あるいはそれを守ろうとする、それにしがみつくならばその限りでは絶対に討論は共通するものを見いだしえないだろうし、我々の今おかれている状況は克服しえないという立場を確認しなければならないだろうと思います。端的にいうならば、そういう第一、第二、第三の見解がたっている運動の基盤、その限界性、そのようなものが相互の自己批判的な総括によって明らかにされることなしには共通的な問題意識は生まれてこないだろうと思います。自分が歩んできた路線が唯一正しい、いかに正しかったのかということを言葉の羅列によって強調することによっては、これからの我々の論争の発展は絶対にありえないのではないかということだけは確認されると思います。
 
 討論を通じて行動の一致を
 京都地本問題にしても、そのような我々自身の論争の構え、社青同の体質がそのようなかっこうであらわれてきたという問題ともいえるだろうと思うし、京都問題は今後の方向性(早急に三項目の完遂をはかること、あっせんではなく根底的追求をおこない、解決をはかること)が、一応集約されたので、そのような方向で今後ぜひ対処していかなければならないと思いますが、そういう問題が今後の我々の課題として残されていると思います。
 そういう状況をふまえ、いくつかの論点と、そのような我々の論争の構えというか、そのようなものにかなり基本的な欠陥をもった大会であったということを確認しつつ、そのような討論の中で我々が当面のいわば日本の労働者階級の中心的な闘争課題である七〇年安保粉砕、佐藤訪米阻止へむけての具体的な行動上の一致をここで確認することによって、この大会の集約にしていくことが今我々にできる最良の方法ではなかろうかと思うわけです。
 
 佐藤訪米阻止、ストの追求を
 その点で、さる続開中央委員会では議論された内容をもとにして当面の方針について二つの決議案が出されました。
 一つは佐賀の和田中央委員が提案された当面の方針についての決議、一つは、宮城、山形、大阪、群馬、埼玉、石川、鳥取の中央委員がだした当面の決議というものであります。若干の討論の結果、一致できる部分はある程度確認をされました。
 この大会では、必ずしも佐藤訪米阻止闘争にむけて、あるいは七〇年安保粉砕にむけての具体的な方針をどうたてるかという問題についての議論はまだ部分的に終わったし、ストライキの見方にしても、どのような内容でかちとっていくりかという問題は残されていると思いますけれども、一致できる点が次のような形で確認できるのではないか。この二つの決議案をここで集約しながら、当面の課題として提起していきたいと思います。
 
 まず第一に、佐藤内閣のいわば帝国主義的な支配、再編成の完成のきっかけ、あるいは完成における重要なステップとしての七〇年安保の自動延長と、それから沖縄問題の処理が佐藤訪米によって資本家の政治プログラムにおいては、そのことによって終了させられようとしている。そのことは、我々が今日まで議論してきた、いわば日本の全社会的な支配の強化と労働者階級の体制内化への動きの政治的な表現として重要な問題だろうと思うわけです。
 したがって、佐藤訪米にみられる七〇年安保体制への敵の攻撃は、たとえば全逓や専売など、あるいは八幡・富士の合併にみられる産業再編成といろんな一切の支配秩序の再編成の頂点として、政治的な表現として位置づけることができるだろう。そういう意味で、七〇年安保闘争がやはり一一月佐藤訪米をいかに阻止するかという点にきわめて重要な意味がかけられているということは、全体で確認できることではないだろうか。
 
 したがって、佐藤訪米阻止闘争の内容を単なる佐藤訪米の意図に反対するとか、そういうかっこうでの煮えきらない、あいまいな、そのような内容としてではなく、全体の支配の再編成というものに全面的に対決していく力を結集していくものとして闘わねばならないだろう。一方にある単に羽田でいかに物理力を結集しうるかという風な、いわばカンパニア的な、街頭主義的な傾向をも我々は克服していかねばならないだろうということは、これまた全体で確認できるんではないか。
 このような内容をもつものとして、我々はストライキによる佐藤訪米阻止をいかにかちとっていくのか、ストライキを追求していくことを確認しなければならないのではないか。そういう意味で、ストライキにむけての、それも一○・二一国際反戦デーのストライキへの追求を出発点として、一一月の初旬から中旬に予定されている全労働者的なストライキを我々自身の力によってかちとっていき、佐藤訪米阻止闘争に時期を設定したストライキの体制をいかに職場から構築していくのか、そういう力を背景にして街頭におけるデモも組まれようし、それから羽田における現地闘争も追求されるだろう、我々は追求していくんだということも確認されるんではないかと思います。
 
 そのような、この秋の情勢の意味の重大さを全同盟的に意思統一することにむけての圧倒的な大衆宣伝、政治宣伝、それからあらゆる形態での政治集会、討論会の組織化というものもきわめて重要な内容をもっていると思います。
 そういうことで、我々は当面の佐藤訪米阻止闘争を追求していこうではないかということが確認されるのではないか。
 
 そして、さらに一つ。これは是非今大会で討論しえなかったものとして確認しておきたい点は、佐藤訪米阻止闘争を社青同が中心となっている反戦青年委をはじめとするあらゆる政治サークル、青年の政治組織というものの全国的な統一行動を社青同のヘゲモニーのもとにかちとることを追求していこうではないかということです。内容は、どのような形で追求されるかということは非常に困難な面もある。
 しかし、我々はこれまでいろんな形で追求してきた反戦青年委の運動や、いろんな形で追求してきた反戦闘争の部隊、政治闘争の部隊というものを総結集して、羽田における佐藤訪米阻止闘争へむけて職場の力を蓄積しつつ結集していくということが、なんとしても社青同のヘゲモニーのもとでかちとられるよう追求していこうではないかという確認は、この大会でなされなければならないんではないかと思います。
 そのような追求が、各県や各地区における反戦闘争をふまえた全国反戦の真の再開にもつながる道であるし、力をつくりあげていくということではないだろうか、ということも確認しておかなければならないだろうと思います。
 
 中執の下に方針の現実化を
 以上の当面の基本的な当面の具体的な方針、いわば、行動綱領的なものによって今大会の討論の一つの集約として先ほどいったような内容を次期の中央執行委員会において下部討議に付してもらい、我々の克服の道をさぐりあてていこう。したがって、次期中執は今提出した最低の当面の行動方針というものを現実化させていくという任務と同時に、これまでの討議でまだ十分に克服されていない討論を機械的にではなく、より班の問題、支部の問題ということも含めて同盟内の討論にしていくという任務もまたもっているのではないか。
 そういう意味では、基本的な総括と情勢、方針というもの、いわば路線というものが確認されないまま当面の方針によって集約をされざるをえないという、きわめて不正常な形で次期の中央執行委員会は構成されざるをえないだろうけれども、そのような任務をもった中執というものを是非これまでの大会の経過をふまえて我々は選出し、次の闘いにそなえていく必要があるんではないかということを最後につけ加えて、非常に不十分ですけれども議運委員長からの大会の討論の集約にしていきたいと思います。

 
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