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労働者農民党立党宣言
昭和二十三年十二月三日
*出典は日本社会党結党20周年記念事業実行委員会『日本社会党20年の記録』(日本社会党機関紙局 一九六五)  
 戦後歴代内閣はその悪辣なる政策を駆便して金融資本と国家資本の再建整備に奉仕し、勤労大衆を飢餓と窮乏のどん底に陥れ、あまつさへ自由と権利を剥奪しつつある。
 資本家階級と闇商人の擁護と私利私慾のために狂奔する官僚及び日本社会党を含むすべての既成政党は相踵ぐ疑獄事件の捕捉によってその正体を白日の下に暴露しつつある。
 勤労大衆の党を以て任ずる日本社会党の指導者の大多数とまたその一味として勤労大衆を偽瞞搾取し或は弾圧する反動的役割を演じ、ブルジョアジーとの反革命的妥協に走って勤労大衆の利益を弊履の如く棄て去り、更に社会主義本来の立場を堅持して闘う勢力を党外に放逐した。
 今や、日本社会党は階級闘争を放棄し、その小ブルジョア反動性を遺憾なく発揮し、勤労大衆の期待をことごとく裏切り、ブルジョア第三党に転落した。
 社会党の反動性の漫然たる党内反対運動を以てしては純化し得ないものである。
 他方において日本共産党は日本民主革命のために闘いつつあるが、しかしながら同党はしばしば日本の客観状勢に適応しない独善的偏向をもち、階級闘争上の力関係を顧慮せざる極左的闘争主義の傾向が見られ、この結果勤労大衆の利益は日本共産党だけでは確保されない。
 ここに勤労大衆による新しい社会主義政党の結成の必然性があり大衆はこれを要望している。
 われわれはこの大衆の盛り上る力の中から労働者農民党を結成、これを主体として保守反動陣営に対立する動労大衆の統一戦線を形成し果敢なる闘争を展開せんとするものである。
 全国の労働者農民中小商工業者其他一般勤労大衆諸君、大挙してわが党に参加し相携へて民主目本建設と国際平和確立のために闘われんことを切望する。
 右宣言する。
    一九四八年十二月三日
               労働者農民党結党大会
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