原子力発電所、再処理工場の建設反対運動を推進するための決議
*原発反対闘争強化のための全国大会決議。1972年開催の第三五回大会で決定。
出典は『月刊社会党』1972年3月号(第181号)第35回定期全国大会特集。『月刊社会党』はこの一号前の1972年2月号でも「原子力発電と勤労国民」特集を組み、原発反対の姿勢を明確にしている。
(提案者)新潟県本部
福井県本部
島根県本部
佐賀県本部
鹿児島県本部
青森県本部
愛媛県本部
静岡県本部
茨城県本部
北海道本部
石川県本部
和歌山県本部
宮城県本部
福島県本部
三重県本部
兵庫県本部
岡山県本部
広島県本部
政府、独占資本は、既に四基の原子力発電所を稼動させたが、今後約十五年間に、約六千万KWという建設計画のもとに、膨大な増設と、設備の大型化、立地の集中化を強行しようとしており、さらに陸現状においては原発よりも危険度の高い再処理工場の建設を進めようとしている。
かかる独占利潤追求に貫かれた原発増設は、放射能汚染を広範囲にもたらすことにほかならず、既に党が国会等において追求しているように、国民の安全を確保するために不可欠な研究、安全対策、さらには国民の監視や規制権限が基本的に欠けているのが実情である。さらに、安全確保と平和利用限定のための歯止めである、自主・民主・公開の三原則は、企業秘密によってますます形がい化される情勢にある。
このようなときに、党が原発増設をこのまま容認することは、国民が放射能汚染にさらされることに加担する結果となり。さらには軍事利用阻止の基盤をつきくずされる結果となることをきびしく認識しなければならない。
従って、党は、国民のいのちとくらしを守る国民運動の一環として、安全性と三原則の実行をともなわない独占資本による原子力発電と再処理工場の建設に反対する闘いを、全国二十余ヵ所の地域反対運動と連帯し、勤労国民を結集し、さらには各級議会、国会での闘いを有機的に強化することによって、全党的課題としてとり組むものである。 右、決議する。
一九七二年一月二十八日
日本社会党第三五回定期全国大会