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日本社会党規約
 
 
 
第一二回(統一)全国党大会
一九五五年一〇月一三日
 
 
1955年社会党統一大会で決定された規約。出典は『資料日本社会党四十年史』(日本社会党中央本部 1985)。画像は中央本部組織局が発行した綱領・規約の小冊子
 
前文
一、日本社会党は、平和的、民主的に、社会主義革命を達成し、日本の独立の完成と確保を任務とする政党であり労働階級を中核とし、農民、漁民、中小商工業者、知推層その他国民の大多数を組織する勤労者階層の結合体である。
 この組織化を推進するために、党は議会の内外にわたり、大衆の利益を守る日常闘争を展開し、実際の闘争を通じて広範なる大衆の間にその指導性を確立する。
 
 二、日本社会党は党内民主主義の原則と、信義友愛の精神に則り、統制ある行動と円滑なる運営を期する。すなわち党員はその出身階層の如何を問わず、平等の権利と義務をもって、党各級機関の討議に参加し、綱領と規約を遵守して、党議決定とそのあやまりなき遂行に責任をもたなければならない。
 
 三、日本社会党の機関は決議機関、執行機関、統制機関の三機関とする。党の最高機関は全国大会である。
 執行と統制の二機関は党全国大会で選出されたものによって構成され、各その独自性を保持しつつも両機関の連絡を計りつつ、最終的には大会によってその行動が律せられる。
 
第一章 総則
第一条 わが党は日本社会党と称し、本部を東京都に置く。
第二条 わが党は党の綱領、政策、宣言および決議を実現することを目的とする。
第三条 わが党は綱領に賛成し、党則を固く守る個人で構成する。
 
第二章 党員
第四条 党の綱領、規約、政策および方針をみとめ、これを実践するものを党員とする。
第五条 党員になろうとするものは定められた入党申込書に必要な住所、氏名、年齢、職業、所属団体名を記入し、党費をそえて、党員二名以上の紹介により居住地の支部に申込むものとする。
第六条 前条の申込みがあったときは支部又は本部は資格を審査して本部が許可する。
第七条 党を脱退しようとするものは、その理由を明らかにし、党員証をそえて所属支部または本部に届出なければならない。
第八条 党員であって除名されたもの、並びに一たん脱党したものが再び入党するとき、および他党に所属していたものが入党するときは、当該支部連合会は中央執行委員会を経由して本部統制委員会の承認をえなければならない。
第九条 党員が他の政治的団体に加盟せんとするときは、その所属する機関の承認をえなければならない。
 
   第三章 中央機関
   第一節大会
第十条 大会は党の最高決議機関であって大会代議員および木部役員で構成する。
第十一条 大会は毎年一回中央執行委員会の議を経て中央執行委員長が招集する。
  但し、中央執行委員長は、中央執行委員会が必要を認めたとき、または支部連合会の二分の一以上の要求があったときは臨時大会を招集する。
第十二条 大会の議長および副議長は大会が選ぶ。
第十三条 大会の代議員は支部連合会より選ぶ。
  国会議員団、支持団体は中央執行委員会の承認をえて代議員を選ぶことができる。特別の事情があるときは中央執行委員会の承認を えて支部から選ぶことができる。選出比率は別に定める。
第十四条 大会は代議員定員二分の一以上の出席によって成立する。
第十五条 大会の議事は出席代議員の半数以上で決める。可否同数のときは議長が決める。
  大会議事細則は別に定める。
第十六条 大会に提出する議案は中央執行委員会で整理し、少くとも二週間以前に支部連合会に到着するよう送附しなければならない。
第十七条 大会は中央執行委員長、書記長、財務委員長、統制委員長、政策審議会長、国会対策委員長、選挙対策委員長および中央執行委員、中央委員、統制委員、会計監査各若干名を選ぶ。
  選び方および比率は別に定める。
  但し、投票によらないで選ばれるものは大会で過半数の承認を要する。
第十八条 大会は顧問若干名を推選する。
  但し、顧問の推選は中央執行委員会に委任することができる。
第十九条 大会代議員の任期は次の定期大会までとし、臨時大会が開かれるときはその代議員となる。
 
   第二節 中央委員会
第二十条 中央委員会は大会より次の大会までの決議機関であって、その決議事項について大会に対し、責任を負う。
第二十一条 中央委員会は中央委員および中央執行委員の欠員を選ぶことができる。
第二十二条 中央委員会は中央委員および本部役員で構成し、議長は中央委員より選ぶ。
  国会議員は出席して発言することができる。
第二十三条 中央委員会は中央執行委員会の撮を経て、中央執行委員長が招集する。
  但し、中央委員三分の一以上の要求があったときは一カ月以内に中央委員会を招集しなければならない。
第二十四条 中央委員会は中央委員二分の一以上の出席によって成立し、その半数以上で議事を決める。
第二十五条 中央委員の任期は次の定期大会までである。
 
   第三節 中央執行委員会
第二十六条 中央執行委員会は党を代表する最高執行機関であって、大会および中央委員
 会に対し責任を負う。
第二十七条 中央執行委員会は緊急やかをえないときは重要事項に関する決議権をもつことができる。
  但し、二十日以内に大会又は中央委員会を昭集し、その承認を求めなければならない。
第二十八条 中央執行委員会は中央執行委員長、書記長、財務委員長、政策審議会長、国
 会対策委員長、選挙対策委員長、および中央執行委員で構成する。
  中央執行委員会は中央執行委員長が招集し、二分の一以上の出席によって成立する。
  統制委員長、会計監査および各部門の長は中央執行委員会の要求する場合、またはその承認をえて出席し所管事項について報告し意見を述べることができる。
第二十九条 中央執行委員会は党務を遂行するため次の部門をおく。
 一、総務局 一、組織局 一、教育宣伝屑 一、青年婦人局 一、国際局 一、議会局
 一、調査企画局 一.財務委員会 一、政策審議会 一、国会対策委員会 一、選挙対
 策委員会
(イ)総務局には総務部、庶務部をおく。
(ロ)組織局には組織部、労働部、農民部、中小企業部、生活協同組合部をおく。
(ハ)教育宣伝局には遊説部、教育文化部、機関紙苓出版宣伝部をおく。
(二)青年婦人局には青年節婦人部、学生対策部をおく。
(ホ)国際局には外交部、国際団体部、国際宣伝部をおく。
(ヘ)議会局には国会対策部、地方議会対策部をおく。
(ト)調査企画局には企画部、情報部、調査部をおく。
   但し、必要に応じて特別委員会をおくことができる。
第三十条 中央執行委員会は中央オルグ、地方オルグを任用する。
  オルグは中央執行委員会の統轄の下に組織局長の指示に従う。
  オルグに関する規定は別に定める。
第三十一条中央執行委員会は党務を遂行するために書記を任用する。
  書記に関する規定は別に定める。
第三十二条 中央執行委員長、書記長、財務委員長、政策審議会長、国会対策委員長、選
 挙対策委員長、および各局長で局長会議を構成する。
  局長会議は中央執行委員長が招集する、
  局長会議は緊急事項につき中央執行委員会を開くいとまのないとき、中央執行委員会の職務を代行する。
  但次の中央執行委員会において、その承認を求めなければならない。
  統制委員長、会計監査及び各部門の長は局長会議の要求する場合、またその承  認をえて出席し、所管事頃について報告し、意見を述べることが出来る。
 
   第四節統制委員会
第三十三条 統制委員会は次の任務をもつ。
 一、党組織党員の統制、査察および処分
 二、党員であって除名されたもの、あるいは一たん脱党したものの復党の承認、他党に所属していたものの入党の承認および国会議員、'知事、都道府県会議員、市長の入党の承認。
 三、査察により必要と認めたとき中央執行委員会への報告、勧告又は第三十五条二項の手続の要求。
第三十四条 統制委員会は大会で選出された統制委員長と統制委員で構成する。
  書記長、総務局長、組織局長は出席して意見を述べることができる。
第三十五条 統制委員会は左記事項につき議決しなければならない。
 一、中央執行委員会が送附した事案
 二、支部連合会が中央執行委員会を経由して送附した事案
  統制委員はその二分の一以上の同意をえて査察の結果統制委員会に附議すらことを必要と認めた事実につき、その手続を中央執行委員会に要求することができる。ぞの場合は中央執行委員会は統制委員会に附議しなければならない。
第三十六条 統制委員会は統制委員長が招集する。但し統制委員の二分の一以上の要求があったときは、統制委員会を招集しなければならない。
第三十七条 統制委員会は統刎委員二分の一以上の出席により成立し、その半数以上で議事を決める。
  党員の除名および党組織の解体決議は全員出席による三分の二以上の議決を要する。
  右の場合は委任状により他の統制委員が代行することができる。
  統制委員会の運営規則は別に定める。
第三十八条 統制委員会の決定に不服なときおよびその処理を不当とするときは大会に提訴することができる。
 
第四章 役 員
第三十九条本部に戻の役員をおく。
 一、中央執行委員長 二、書記長 三、財務委員長 四、統制委員長 五、政策審議会
 長 六、国会対策委員長 七、選挙対策委員長 八、中央執行委員若干名 九、統制委
 員若干名 十、会計監査若干名
 顧問は本部役員とする。
第三十条 中央執行委員長は中央執行委員会を代表し党務全般を統べる。
第四十一条 書記長は中央執行委員長を補佐し、委員長事故ある場合はこれを代理し党務を司る。
第四十二条 財務委員長は財務委員会を統轄し、党財政を司る。
第四十三条 統制委員長は統制委員会を統轄し、党の統制を司る。
第四十四条 政策審議会長は政策審議会を統轄し、党の政策の企画立案にあたる。
第四十五条 国会対策委員長は国会対策委員会を統轄し党の国会活動にあたる。
第四十六条 選挙対策委員長は選挙対策委員会を統轄し党の国会議員選挙、その他の公職選挙対策にあたる。
第四十七条 会計監査は党の会計を検査し大会、中央委員会、および中央執行委員会に報告する。
第四十八条 顧問は中央執行委員長の諮問に応じ、または意見を述べることができる。
第四十九条 各役員の任期は次の定期大会までである。
 
第五章 組織
第一節 支部・班及び支部協議会
第五十条 組織の基本を支部とする。
 支部は必要に応じ、活動の単位として地域班、職場班をおく。
第五十一条 支部は同一市区町村を単位として党員三十名以上をもって組織する。
  但し必要ある場合は中央執行委員会の承認をえて党員三十名以上をもって職場支部を設けることができる。
第五十二条 班は同一地域、同一勤労場所において党員五名以上をもって構成する。
第五十三条 支部を設立したときには、党員名簿、役員の住所、氏名および規約に党費をそえて支部連合会を経て中央執行委員会に提出し、その承認をえなければならない。
  支部規約は別に定める規約準則による。
第五十四条支部協議会は衆議院議員選挙区内にある支部をもって構成する。
  支部協議会は相互に構成する支部の活動を輔けその連結と提携をはかる。
  支部協議会の運営規定は別に定める。
 
   第二節 支部連合会
第五十五条都道府県に二つ以上の支部があるときは支部連合会を組織する。
  中央執行委員会は同一郎道府県内に一つ以外の支部連合会をみとめてはならない。
第五十六条 支部連合会はその大会直後連合会役員の住所、氏名、事務所、書記名等必要事項を中央執行委員会に提出しなければならない。
  支部連合会規約は別に定める支部連合会規約準則による。
第五十七条 東北、北陸、関東、東海、近畿、中国、四国、九州各地方の支部連合会は中央執行委員会の承認をえてその地方名をつけた地方協議会を構成することができる。
  地方協議会の規定は別に定める。
 
第六章 支持団体及び党友
第五十八条 党の綱領、政策を大会および執行機関で認め、党支持を決議し、支持費を定期的に納め、かつ顛行纒問の過半数が党員で構成されている団体は、中央執行委員会の承認によって支持団体となることができる。
第五十九条 支持団体はその組織が二府県以上にまたがる場合は党本部に、一府県内の場
 合はその支部連合会に属する。
第六十条 支持団体はその所属する纒房の大会に代議員を選出することができる。但し選出される代議員は党員でなくてはならない。
第六十一条 支持団匯のおさめる支持費その他必要なる事項は別に定める。
第六十二条 党員でないけれども党に対し積極的に援助するものは支部の推薦または承認をえて党友とする。
  党友に関する規定は別に定める。
 
第七章 議員および知事、市、区、町村長
第六十三条党所属議員は別に定める議員行動方針を守らなければならない。
第六十四条 各議員および知事、市、区、町、村長は左記により統制をうける。
 一、衆議院議員、参議院議員および知事、五大市長−党本部
 二、都・道・府・県議会議員および市・区・町・村長−支部連合会
 三、市・区・町・村議会議員−支部
  但し、大阪・京都・名古屋・神戸および横浜の市会議員はその支部連合会の統制を受ける。
第六十五条 国会議員は国会議員団を組織する。
  国会議員団は衆議院議員団、参議院議員団に分れ、それぞれの会議をもつとともに、国会議員の総会をもつ。各議員団にはそれぞれの責任者をおく。
  国会議員団は中央執行委員会の統轄のもとに国会対策委員会の指示に従う。
  議員団の運営については別に定める。
第六十六条 党に所属する郡道府県議会議員、市区町村議会議員、首長はそれぞれ種別により全国地方議員団会議、全国市長会議等を組織する。
  前項の会議について別に定める。
第六十七条 地方議会議員はそれぞれ所属する議会において議員団を組織する。
  特別の事情によって他党と共同した議会内交渉団体をつくるときは第六十四条による機関の承認をうけなくてはならない。
第六十八条 地方議員は都道府県支部連合会ことに所属する各種議員をもって、都道府県地方議員団会議を組織する。
  地方議員団会議については別に定める。
 
第八章 財 敢
第六十九条 党活動の資金は党費、支持費、分担金および寄附金によってまかなわれる。
第七十条 本部費は党員一名につき年額   円として月別にして支部連合会から本部におさめる。
  本部費は毎月十日までに前月分を納入しなければならない。
第七十一条 支部連合会費は支部連合会が、支部費は支部が定める。
第七十二条 中央委員、中央執行委員、国会議員及びその他の本部役員は別に定める規定により党費の他に一定額の分担金を本部に納めなければならない。
第七十三条 党に対する寄附金の受領は中央執行委員会の承認が必要である。
第七十四条 会計年度は毎年定期大会から次の定期大会までとする。
  会計細則は別に定める。
第七十五条 党の予算及び決算は大会の承認が必要である。
 
第九章 規律
第七十六条 党員または党組織で次の一つにあてはまる行いのあったときは統制委員会によって処分される。
 一、党則に背く行い。
 二、党の面目を汚す行い。
 三、議員行動方針に背く行い。
 四、党費をゆえなく六ヵ月以上納めないもの。
第七十七条 党員に関する処分は、警告、機関からの辞職、期限をきった党員権の制限、除名とする。
第七十八条 党組織に対する処分は警告、指導機関の交替、組織の解体とする。
第七十九条 選挙に際して党規をみだしその処分の急を要する場合に限り、支部連合会はその責任において除名を決議することができる。
  但し、その処置を中央執行委員会を経由して本部統制委員会に報告し追認をえなくてはならない。統制委員会がこれをみとめないときは直ちに党籍を同腹する。
 
第十章 附則
第八十条 党の綱領および党則の改正は大会出席代議員の三分の二以上の多数の賛成をえなければならない。
第八十一条 本規約による諸規定は中央執行委員会が定める。
第八十二条 本規約は大会で決定されたときより施行する。
 
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