東京都知事選挙の社会・共産両党「共同闘争の体制についての協定」
社会党=共産党
一九六七年三月一一日
*一九六七年四月の東京都知事選挙にあたっての日本社会党と日本共産党の協定書。この選挙で革新側は勝利し、美濃部東京都知事が誕生した。これ以後七十年代にかけて各地の自治体選挙で社共共闘がおこなわれ、革新首長が登場したが、この協定書はこれ以後の社共共闘のひな形となった。出典は『資料日本社会党四十年史』。写真は美濃部都知事当選を祝う、左から野坂参三日本共産党議長、美濃部亮吉都知事、大内兵衛氏、佐々木更三日本社会党委員長。
日本社会党、日本共産党は、次のような体制を確立して共同闘争をつよめ、都知事選挙の勝利をめざしてともにたたかうことに意見の一致をみました。
一、「あかるい革新都政をつくる会」について
自民党とそれに同調する政党によってゆがめられた都政にかわって、清潔で民主的で科学的な都政、外国の軍事基地のない平和な都政をうちたてるため「あかるい革新都政をつくる会」(以下「会」と略す)を結成します。
この「会」は、社・共両党および広範な労働組合、民主団体、個人を結集し、美濃部候補と社・共両党が協定した政策を支持し、「あかるい革新都政」の実現をめざす共同闘争の組織とします。同時に、「会」は、美濃部候補をすいせんする選挙法上の確認団体とします。
この「会」の機構はつぎのとおりとします。
(イ)代表委員、若干名をおき、そのうち三名を常任代表委員とします。
(ロ)幹事、若干名をおきます。幹事会は参加団体と個人の総意を尊重して運営され、「会」の目的を遂行するために必要な基本事項を討議し決定します。幹事会は週一回定例制とします。
(ハ)「会」の運営はすべて万場一致を原則とし、参加団体の自主性を尊重し、独自活動を強化します。
二(1)幹事会から委任された社・共両党は常時連絡会議をもち、そのもとに事務局を設置し、選挙活動を推進します。
(2)事務局を第一選挙事務所におき、事務局長を社会党、次長を共産党から出します。
事務局の業務は、すべて事務局長と次長の合意にもとづいて執行されます。
(3)事務局の活動に必要な機構をもうけます。
三、共同デスクについて
「会」の機関紙を発行するために、共同デスクをもうけます。共同デスクの編集委員は「会」の幹事会の承認をえて、七名で構成し、社・共連絡会議のもとで活動します。
四、選挙事務所について
第二選挙事務所は共産党、第三選挙事務所は社会党の責任において、それぞれ運営し、相互に協力します。
五、選挙資金について
選挙に必要な資金は団体および個人からひろくカンパをつのり、清潔な選挙をおこないます。
(協定事項)
一、代表委員について
(1)十三氏をすいせんし、うち常任代表委員を三氏とする。
(2)「あかるい革新都政をつくる会」の発足は、十三氏の連名でよびかける。
二、幹事会の構成について
幹事会は十八団体で構成する。
三、「会」に結集する団体・個人については、社・共両党の合意を必要とします。また幹事会を臨時にひらくときは、社・共両党の合意にもとづいて招集されます。幹事会の座長二名は幹事のもちまわりとします。
四、社・共連絡会議について
(1)この会議は、社・共同数の代表で構成し、常駐して連絡会議を毎日おこないます。
(2)社・共連絡会議での合意によって具体的に選挙活動をすすめます。
(3)社・共連絡会議のもとに事務局を設置し、選挙闘争を推進します。
(4)各区ならびに三多摩地域に社・共連絡会議をもち、共同闘争の体制をすすめます。
五、事務局は当面、つぎの機構をもって発足する。
〔第一部門〕 候補者のスケジュールの計画と掌握
宣伝・遊説計画とその実行
〔第二部門〕 ニュースその他宣伝物の発行
〔第三部門〕「はげますつどい」の実施
推せんならびに支持活動
参加団体の統一行動
「選挙活動の手びき」、バッジの作成とカンパ活動
<ただし( )内は仮称>
六、共同デスクの編集委員
「赤旗」「社会新報」より各二名
「会」より三名(うち二名は社・共がそれぞれ一名づつ推せんし、一名を社・共の合意によって決定する)
七、届出関係
(1)「あかるい革新都政をつくる会」の届出代表人は大内兵衛氏、会計は共産党のすいせんする清潔な人物とする。
(2)総括責任者は成田知己氏、出納責任者は社会党すいせんの清潔な人物とする。
(3)立候補届出は、本人届出、無所属とし、「会」を支持団体とする。
会則−会の目的と運営要綱
一、この会は「明るい革新都政をつくる会」といい、事務所を東京都新宿区三光町五四白鳳ビルにおきます。
二、この会は、自民党都政にかわって明るい革新都政をつくることを目的とします。
三、この会は前項の目的を達成するため、社会党・共産党・労働組合・民主団体、その他幅広い人々を広範に結集する共同行動の組織とします。
四、この会は、目的達成のため、つぎの事業をおこないます。
1.明るい革新都政の実現をめざす諸活動。
2.機関紙の発行と啓蒙、宣伝活動。
3.その他必要な事業。
五、この会の運営のため、つぎの機構をもうけます。
1.代表委員若干名をおき、そのうちから常任代表委員若干名をえらびます。代表委員は「会」を代表し、会務を統活[ママ]します。
2.若干名の幹事をおきます。
幹事会は代表委員の統括のもとに「会」の目的を遂行するために必要な基本的事項を討議し決定します。
3.「会」の運営は満場一致制を原則とします。
4.「会」の日常業務と選挙活動を推進するため、必要な機構をもうけます。
六、この「会」の経費は、寄附金をもってあてます。
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