声明・結党にあたって
*新社会党結成に当たって発表した声明。出典は「週刊新社会」創刊号。
一、私たちは一九九六年一月一日「新社会党・平和連合」を結党した。
一、新社会党・平和連合は、護憲の旗を高く掲げる。日本の政治の総保守化に抗して、アジアの平和と軍縮の促進、消費税の引き上げ凍結と廃止、人権と連帯、共生の精神にもとづく福祉・教育・環境の充実と改革、農業・農村の再建、小選挙区制の廃止など、平和で人間的な新しい民主主義社会の建設をめざす。
一、私たちは、新社会党・平和連合に広範な動労者、市民、女性、青年、学者、文化人などが結集し、ともに人間らしい新しい社会をめざす努力をするよう期待し、呼びかける。時代は、平和と軍縮、人権と福祉と環境、多様な民主土義、これらの実現のための市民参加と情報公開などを求めている。新会党・平和連合は、そのための開かれた政党である。とりわけ、人口の半分を占める女性と、未来を担う若者には、新社会党・平和連合に積極的に参加し、存分に力を発揮し、自分たちの党として育成していただぐことを心から期待している。
一、同時に私たちは、さまざまな事情から社会党に残らざるをえない人びとに対しても、広く扉を開けている。かねてから苦楽をともにしてきた人びとが、「護憲の党」「市民の党」「平和の党」を再建するため、私たちと再び手をとりあうことができる日が一日も早く来ることを期待している。二大保守勢力が、大国主義と軍備増強の政策を進め、官僚僣位の体制を維持し、勤労者や市民の生活や権利を損ない、改憲をも視野に入れて、日本を時代と国民の要請に逆行する方向へと導こうとしているとき、平和と民主主義の広範な「護憲勢力」の総結集、再統一は急務である。
一、社会党はいくつもの重要な公約に反し、護憲の立場を捨てて、心ある多くの国民から信を失った。これは連立政権維持を最優先させ、保守勢力に迎合することによって、国民の生活と平和、民主主義をないがしろにするものである。この誤りによって社会党は、沖縄をはじめとする基地問題、核廃絶と自衛隊の軍縮問題、低所得層や中小企業への不当な負担を強いる消費税とその引き上げ、住専のこげつき処理、有権者の多様な意見を反映する選挙制度の実現、危険なプルトニウム利用など原発政策、破防法の適用など、重要な政治課題に正面から取り組むことをやめた。その仕上げが社会党の「解党・新党]方針である。私たちは、このような社会党の変質と方向を断じて受入れられない。
一、新社会党・平和連合の課題は大きく重い。しかし、護憲の党の再建は日本の政治にとって不可欠である以上、誰かが先鞭をつけなければ何事も始まらず、生まれない。高い志と大きな展望を抱いて私たちはこの道を歩み始める。
一九九六年一月一日
新社会党・平和連合