閣外協力の解消にあたって(党声明)
*『社会新報』No.3995号(1998年6月10日)掲載。
一、連立政治の原則は「政策の合意と信頼関係」である。この原則を尊重することが、連立時代の政党の責任である。
一九九六年十一月、社会民主党は第二次橋本政権に閣外協力することを決定し、三党政策合意実現のため誠実に努力してきた。参議院でのキャスティングボートをもつ立場を活かしながら、介護保険法、NPO法、被災者生活再建支援法の制定や環境省の創設をはじめ積極的な政策提起を行なってきた。また、衆議院で過半数を占めた自民党の驕りを抑え、保・保連合の動きを阻止するなど国民の期待に応えるために懸命に活動し、多くの成果をあげてきた。
一、昨年来、沖縄特措法や佐藤孝行議員の入閣問題、また、いくつかの重要政策においても、自民党との合意が困難となってきた。
三党首直轄の政治改革協議において、企業団体献金等の禁止に関する政治資金規正法の具体化や、あっせん利得行為を処罰する「政治腐敗防止法」を今国会中に制定するという三党合意が反古にされた。新ガイドライン関連法案及び組織的犯罪対策関連法案をわが党の反対にもかかわらず閣議決定・国会提出し、調整不可能な事態となった。この他、自民党は憲法調査常任委員会の設置を総務会で決定するなど意見の対立が生まれている。
社会民主党は、今日までさまざまな意見の違いを調整しながら連立を維持してきた。しかし、憲法や外交の基本、政治倫理などの重大問題に関して、党の主張を曲げることはできない。いまや連立の原則が崩れたと言わざるをえない。
一、社会民主党は、第二次橋本政権への閣外協力を解消する。今日からは、新たな決意のもと大きな未来にむけて力を尽くす。連立政権での貴重な経験を活かし、崇高な理念と現実政策の結合を国民の立場から実現する。残された会期、提出した法案と政策決定に関与した責任を果たす。社会民主主義は今や世界政治の主流になっており、日本においてもその道を切り開きたい。これからも日本国憲法を軸に、まじめに働く人や弱い立場の人々と連帯し、二十一世紀の日本を築くため、参議院選挙勝利にむけ全力をあげて戦う。
一九九八年五月三〇日 社会民主党