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                           社青同第二十九回大会宣言
 
            出典は『青年の声』第1933号(2002年11月4日)
                                       
 激しさを増す企業間競争と、それがもたらす絶え間ない合理化が、かつてなく労働者階級を脅かし、この社会に暮らす誰もが少し先の将来さえ描くことができない、そうした情勢の中で、第二十九回全国大会は開催された。
 「代議員を集めきれない」「せっかく参加の約束をもらっていたのに直前に行けなくなったと断られた」「仕事の合間に電話を掛けまくってやっと代議員の枠を埋めることができた」。
 こうした形で表れたような、私たち自身の不十分さや、様々な困難さを抱えながらも、「同志の奮闘に学びたい」「元気を取り戻したい」「組織活動に参加したい」という思いのもとに、三日間におよぶ真摯な討論を行いながら、間もなくその大会は終わろうとしている。
      ◇
 大会では、職場の出来事、仲間たちの姿をより徹底的に集約して委員会機能の強化を図っていこうと、これまでの定数から拡大された中央委員会を、新たな体制で運営していくべく新しい役員体制を選び出し、機関紙を武器とした組織活動を通して、あらためて組織建設への力を強めていこうと、『青年の声』の発行体制を週刊化へ戻すことも決めてきた。
 残念ながら、それらの決定に至る議論は、満場一致で進められたわけではない。しかし、経験したことのない困難さの中にあって、それでも仲間たちの前ヘ一歩踏み出していこうという決意をもとにしたそれらの決定は、精神論的な空元気や、根拠が曖昧な教条句から導き出された方向性ではなかった。
 職場の出来事や仲間たちの姿をどう見るのか、どう考えるのか。このスタンスから始められ、広げられてきた班会や学習会を通して、一見、見えにくく、分かりづらくはなっているものの、社会発展の法則性である合理化の反作用、すなわち仲間たちの反抗の芽が日々、作り出されている事実を確認できたことで、それを根拠とする私たちの自信と確信の共有は、まだまだ広げることができる。
 だからそうした社会変革の客観条件に、私たちはもつともっと適応していかなくてはならないという使命感が、大会討論をそれらの決定へと導いたのである。
      ◇
 NTTで働くある同志は、こう報告している。「場当たり的に仕事のやり方を変えてくるだけで、それに伴う顧客データの移行や後方部門の整備を全くやらない会社。そのしわ寄せを被るのは営業者。お陰で客にヒンシュクを買い、怒られる。会社に文句を言いたいし、組合もちゃんと求めて欲しい・…
 寡黙だった仲間が、そう発言するように変化してきた。合理化が早すぎる!と仲間たちが口々に言うが、その合理化こそ、仲間の変化や成長も生み出すようになっている。これからが、本当に社青同の、班会の議論が大事になってきたぞ、と同志たちと話し合っているんだ」

 社会の基盤で、生産を担う位置にあるが故に、その生産のあり方に関して、ときには仕事のやり方を通して、という形で合理化の矛盾を告発し、自らの言い分をハッキリとさせていく仲間の姿は、労働者の革命的な性格を物語っている。ここに結びつかなくてはならない。
 つまり、今大会において、私たちはあらためて日々、職場に生み出されている不満を、自覚された反抗へと組織していくべき役割を確認し合った。
      ◇
 今大会で学び合ったことを、私たちはさっそく班会に報告し、広げていかなければならない。そして報告し、学び合う活動を、委員会制度を最大限に機能させながら、職場の事実の集約に取りかからなければならない。
 古典学習を始めとして、青年たちと学び合い、交流する場を少しでも数多く、設けていかなければならない。集約されたこと、お互いの努力を、機関紙『青年の声』を通して、全国の仲間たちへ発信していかなければならない。

 科学的社会主義を学び、闘い、青年を組織していく。私たちには、それが絶対に可能である。未来を代表し、確信を持って前進していこう!
 この決意を、今大会の名における宣言として、ここに表明していく。
 
二〇〇二年十月二十日
社青同第二十九回定期全国大会